九十九電機は4月28日、秋葉原のツクモロボット王国(東京都千代田区)において、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンが提供する「8ビット・マイコン評価キット」の販売を開始した。価格は税込みで6000円。5月7日までの期間には、「ツクモeX.カード」にポイントを2000ポイント(2000円分)バックするポイントバックキャンペーンも実施される。
フリースケールの8ビット・マイコン評価キットは、8ビット・マイクロコントローラ用評価ボード、統合開発ツール「CodeWarrior Development Studio」、USBケーブル、クイックスタートガイド、ユーザーマニュアル、リソースCDなどで構成されている。評価ボードをUSBケーブルでPCに接続し、CodeWarrior Development Studioおよびサンプルプログラムを活用することで、アプリケーションコードの開発やマイコンの評価が可能になる。
この評価キットを利用することで、たとえばLEDを使用した照度計や内蔵温度センサーを応用した温度計など、8ビット・マイクロコントローラを搭載した電子工作機器を開発することが可能。今後は、3軸加速度センサーやモータードライバの評価と開発ができる評価ボードもツクモロボット王国で販売される予定で、これにより加速度センサーを用いた地震計やモータードライバを使ったラジオコントロール自動車なども開発できる。
九十九電機では、2000年8月にツクモロボット大国をオープン。自作ロボットを中心とした秋葉原でも唯一といえるショップを展開している。代表取締役の鈴木淳一氏は、「自作ロボットの取り扱いは、秋葉原のニーズといえる。これまでにもフリースケールの高橋社長をはじめ、多くのIT業界の重鎮たちが秋葉原の自作ロボット開発により育ってきたといっても過言ではない。今回、フリースケールを応援団に、自作ロボット分野のより一層の発展を目指していきたい」と話す。
8ビット・マイコン評価キットの販売開始にあたり、九十九電機とフリースケールでは、「電子工作キット制作コンテスト」を開催することも発表している。さらに、このコンテストの優秀作品を教材にした「夏休み電子工作教室」の開催も予定されている。
電子工作キット制作コンテストは、8ビット・マイコン評価キットを使用した電子工作作品の“楽しさ”を競うコンテスト。完成品の楽しさや作る課程の楽しさ、考える楽しさ、ユニーク性などが審査の対象となる。小・中学生部門、高校生部門、一般部門の3つの部門で実施され、優れた作品は2006年8月に開催が予定されている夏休み電子工作教室の題材として使用される。
最優秀作品には、10万円の商品券および盾が贈られるほか、部門賞にはフリースケールの半導体製品が組み込まれた商品が提供される予定。応募者全員に、フリースケールのノベルティ製品も提供される。応募期間は、2006年6月16日まで。フリースケールのウェブサイトから申し込める。なお、先着20名には、8ビット・マイコン評価キットが無償で提供される。
フリースケールの代表取締役社長である高橋恒雄氏は、「中学時代からマイコンやアマチュア無線などに興味を持っており、九十九電機のユーザーだった。日本の競争力は“ものづくり”にあるはずだが、今では子供たちが“ものづくり”に興味を持たなくなった。はんだゴテを使うと、両親に“危ないからやめなさい”としかられるという。この取り組みを、子供たちに“ものづくり”の楽しさを知ってもらう第一歩にしたい」と話している。