ノーテルネットワークスは5月25日、シマンテックとの協業に基づいて同社製品にネットワークセキュリティの新機能を組み込むことを発表した。この発表によりノーテルの「Nortel Application Switch」にシマンテックの「Symantec Intelligent Network Protection」を搭載することで、高い処理能力と安全性を兼ね備えたネットワーク構築を可能にする。
Nortel Application Switchは、これまでNortel Alteon Application Switchと呼ばれていた多機能プラットフォーム製品。負荷分散によるアプリケーションの高速化はもちろん、侵入防止やDoS攻撃からの防御/修復、高い可用性および帯域管理、トラフィック管理などの多彩な機能により、数多くの企業やデータセンターに導入された実績を持つ。
具体的な使用方法としては、たとえばOracle Enterprise Managerとの統合やMicrosoft Terminal Servicesのサポート、Server Application State Protocol(SASP)を経由したIBM Enterprise Workload Managerへの対応、SIPアプリケーション、SAPやBEAなどのミドルウェア製品などとの連携により、高い性能や可用性、セキュリティを実現する。
今回、Nortel Application SwitchにSymantec Intelligent Network Protectionを組み込むことで、ネットワーク侵入防止技術とセキュリティコンテンツを統合。ノーテルの階層型セキュリティ構想「レイヤード・ディフェンス」を実現する。
今回の発表に至った背景をNortelのデータセンター・ソリューションズ ポートフォリオリーダーであるWassim Tawbi氏は、「企業やデータセンターでは、アプリケーションに対する高速で信頼性の高いアクセスとシンプルな総合セキュリティ管理が求められている。アプリケーション保護に対しては常に高いニーズがある」と話す。
Tawbi氏は、「このような背景からアプリケーションの負荷分散と最適化に加え、セキュリティ機能を組み込んだアプリケーションスイッチ機能を新たに提供することを決めた。企業やデータセンターにおいてアプリケーションは最も重要な資産であり、それをいかに守るかは大きな課題となっている」と話している。
Nortel Application Switchに組み込まれたSymantec Intelligent Network Protectionは、Nortel Application Switch専用に独自に開発されたもの。不正侵入、DoS攻撃、ネットワーク感染型ワームなどの既知の脅威はもちろん、未知の脅威も的確に検出することが可能。ネットワーク上の重大な脅威からアプリケーションを保護することができる。
また、全世界に配置された「セキュリティレスポンスラボ」および「セキュリティオペレーションセンター」により24時間×365日脅威を監視。新たな脅威が見つかった場合には「LiveUpdate」機能により、最新のセキュリティアップデートを自動的に配信する。
Symantec Intelligent Network Protectionの機能は、ノーテルのGUIツールである「Application Switch Element Manager(ASEM)」に統合されており、ASEMにより構成を設定することができる。
Symantec Intelligent Network Protectionは、Nortel Application Switchに、「Application Switch OS 23.1」を導入することで利用可能。「3408」「2424」「2424-SSL」「2216」「2208」のユーザーは、ハードウェアを一切アップグレードすることなく、アドオンによりSymantec Intelligent Network Protectionを使用することができる。
新しいソリューションは、2006年6月より提供が開始される予定。年間ライセンス価格 は89万9000円。Nortel Application Switchハードウェアを含む価格は663万8000円よりとなる。