財団法人京都国際文化交流財団と日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月29日、重要文化財である北野天満宮屏風絵「雲龍図屏風」の高精細複製を制作したことを発表した。同日、北野天満宮に奉納する。
北野天満宮の雲龍図屏風は、桃山時代に制作された紙本墨画で、海北友松の筆による雲龍図屏風の代表的作品。六曲一双で寸法は縦149.4cm×横337.5cmのサイズ。六曲一双は、六つの面に折り曲げられる屏風がワンセットになっているものを指し、この雲龍図屏風も右隻、左隻の2つがセットになっている。なお、海北友松は、桃山時代後期に活躍した近江画家で、海北派の始祖。建仁寺旧本坊大方丈襖絵の「竹林七賢図」などで知られている。
財団と日本HPは2006年3月、京都の芸術文化財を保管し、次世代に継承するとともに、世界に発信することを目的として、デジタルアーカイブ事業で提携。取り込んだ画像データやモニタ上で修正した画像を、和紙上に忠実に再現するカラーマッチング技術や、インクや和紙などの用紙の開発など、高精細複製に必要な出力技術開発に取り組んでいる。
今回の奉納は、この提携の一環として実施されるもので、オリジナルに極めて近い品質を実現するため、カラーマッチングやカラープロファイリングを繰り返し、「HP Designjet 5500ps UV」プリンタの60インチモデルで和紙に出力された。