「SOAを実現することで、サーバ側の統合はシンプルにできるが、クライアント側は相変わらず複雑なまま」というのが同氏の考えだ。サイロ化したITシステムにより企業は、情報活用の壁や拡張性の限界、時局への対応など、さまざまな課題を抱えている。
浮川専務は、「xfyにより、サーバ側だけでなくクライアント側のシステム統合もシンプルにできる。SOAにより統合されたサーバ側のデータを、xfyにより容易にハンドリグできる仕組みを実現できる」と話している。
ジャストシステムはまた、2006年5月に発表された2つの次世代xfy活用方法についても紹介した。ひとつはカリフォルニア州サンフランシスコで開催された「2006 JavaOne Conference」で発表された「xfy Mashup Platform」であり、もうひとつはスペインの首都マドリッドで開催された「第13回XBRL国際会議」で発表された「xfy XBRL Solution」だ。
xfy Mashup Platformは、xfy Serverで処理したXMLデータを、Internet Explorerなどのブラウザ上で活用するための技術。Ajax(Asynchronous JavaScript+XML)技術とxfyを組み合わせることで実現されている。浮川専務は、「xfy Mashup Platformにより、ウェブ上に存在するさまざまなXMLデータを、自由に連携し、価値ある情報として活用できる仕組みを実現できる」と言う。
一方、xfy XBRL Solutionは、xfy Enterprise Solutionを中核に、財務報告のための標準仕様であるXBRL 2.0/2.1に準拠した財務データ管理を実現できるソリューション。「簡単な操作により強力なXBRLデータ処理が可能であり、柔軟な財務レポート作成や分析が可能になる。金融庁では2008年度よりXBRLの採用を決定していることから、今後ますます注目が高くなるだろう」と浮川社長は話している。
同ソリューションでは、作成されたタクソノミーやインスタンスのバージョン管理や財務報告書に対する注釈の付加、蓄積したデータの横断的な検索、権限に応じた機能制限などの機能を提供。2006年3月にカナダのBlast Radiusから買収したXMetaL事業部が開発したXBRLデータの検証技術「Validation機能」を統合するなど、継続的な機能強化が予定されている。xfy XBRL Solutionは、「すでに日本の大手銀行において検証作業が行われている」(浮川専務)という。
そのほかジャストシステムでは、同社のナレッジマネージメントシステムと組み合わせたソリューション、IBMのWorkplaceとxfyを組み合わせることができるソリューション、ブログ向けのWYSIWYG機能など、さまざまな製品の発表も計画しているという。