基幹系と情報系を融合させてデジタル・ワークプレイスを実現--竹中土木:グループウェア最新導入事例(1) - (page 2)

みずほ情報総研

2006-07-05 23:10

Active Directoryと連携

 ポータルにログインすると、画面に全社員向けのニュース(速報)や異動情報、社員情報へのリンクといった各種の連絡が表示される。そして画面の右半分には「○○部からのお知らせ」といった各社員が属する組織内での連絡情報が表示される。本支店ごとの情報についてはタブで切り替えて表示することも可能だ。社員は毎朝このポータルだけを見れば、必要な社内情報を入手することができるようになっている。このポータルはWindowsのActive Directoryと連携し、人事異動の際も所属や権限がスムーズに反映されるようになっている。

ポータル画面 ポータル画面だけでほとんどの仕事がこなせるようになっている

 このほかにもポータル上には、「リンク集」「マニュアル」「業務用」といったタブが並んでおり、社員はこのポータル画面だけでほとんどの仕事がこなせるようになっている。まさに「デジタル・ワークプレイス」の実現である。

 情報リテラシが高く情報に対する感度の高いユーザーには、自分独自のポータル画面を設計できる「マイポータル」の機能も開放した。パーソナライゼーションの機能を使うことで各個人の業務にあわせた情報の取捨選択が可能となっている。StarOffice21のポータル画面は一般のインターネット上のウェブ画面に似せてあるので、慣れたユーザーであれば特別な講習を行うことなく、情報システム部からの電話サポートだけでこういった画面を作成できるという非常に使い勝手が良いシステムが実現できる。

 さらに、同時期に行った基幹システムの再構築では、ペーパーレス化にも取り組んだ。特に人事・総務系の申請・手続きを大胆にシステム化して全社ポータル上に取り込んだ。

 例えば社員に対する給与明細書はすべて、電子化されポータル画面から社員が自ら閲覧確認をするようになった。また従来は紙ベースで申請・承認されていた面倒な交通費清算もポータル上ですべて完結できるようになっている。この結果、現場での出納係の作業コストが大幅に減ったことで、竹中土木における経理担当者の仕事は大きく変革したという。

サーバ上のシステムを切り替えるだけ

 その他にノーツのようなクライアントサーバ型のシステムから、ウェブ型のシステムに移行したことによる思わぬ利点もあった。

 一つ目はシステムのバージョンアップが容易に行えたことである。竹中土木は当初StarOffice21のバージョン4.3を導入。その後2005年2月末にバージョン5.1へアップグレードを行った。この時もStarOffice21はサーバ集中型のシステムであるため、土日にサーバ上のシステムを切り替える作業だけで済んだのである。ノーツのようなクライアント側ソフトウェアの再配布の必要はなく、ユーザー側は翌朝ActiveXのみ最新版にダウンロードして差し替えるだけの作業で済む。差し替えの作業もブラウザ上にダイアログでメッセージが表示されるのでほぼ半自動で行えた。

 「ノーツの時代は、スクリプトを使って構築したデータベースがバージョンアップに伴い動かなくなるといった問題が発生したが、StarOffice21の場合はNECが完全な上位互換を保障しているので、こういう問題は発生しなかった」(松田氏)

 そして二つ目として、サーバ型システムの採用により、メールをサーバに集中管理としたことで、出張先などどこからでもメールの確認ができるようになったことが挙げられる。PCがクラッシュするといった事故の際もメールが失われなくなったこともユーザーからは便利だと好評である。

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