調査会社のIDC Japanは7月20日、国内NAS(Network Attached Storage)市場の中期予測を発表した。同調査によると、国内NAS市場の2005年〜2010年の年間平均成長率は、金額で14.0%、出荷台数で18.1%。IDCでは、国内外付けディスクストレージシステム売上金額の2005年〜2010年の年間平均成長率を1.1%と予測し、高い成長が期待されるとしている。
2005年の国内NAS市場は、金額が177億6900万円で前年比11.1%増、出荷容量が20.5ペタバイトで同64.1%増、出荷台数が1万2737台で同26.1%増となった。外付けディスクストレージシステム市場に占めるNASのシェアは、金額では8.0%にすぎないが、出荷容量では20.3%、出荷台数では28.8%を占めた。IDCでは、国内企業が保有するファイルベースのデータが急増していることに加え、システム価格が50万円を下回る低価格NASの導入が進んでいることが導入を加速していると分析している。
この調査によれば、2010年の国内NAS市場は、金額で342億2000万円、出荷台数で2万9259台に達する見込みだ。IDCでは、ファイルサーバ統合の拡大やバックアップ投資の変化などにより、NASに対する投資は今後も大幅に増加し、NAS市場を牽引していくと考えている。
また、国内企業のバックアップ投資は、バックアップ時間やリストア時間の短縮を目的に、D2T(Disk to Tape)から、D2D(Disk to Disk)やD2D2T(Disk to Disk to Tape)といったディスクベースのバックアップへシフトしているもようだ。こうした投資シフトが、バックアップにも利用用途が拡大しているNASのビジネス機会をさらに広げると予測される。