ビジネスのみならず日常生活でも、すでに「あって当然」のコミュニケーションツールとなっている電子メール。1997年に設立されたミラポイントは、このメールシステムにまつわる各種の機能を、アプライアンスの形式で企業やISPなどに提供してきた企業だ。
メールの基本的な機能を提供する「Message Server」や、ウイルスやスパムなどに対するフィルタリングを可能にする「RazorGate」に加え、10月中旬には、既存のメッセージング環境に組み込むことでメールシステムにアーカイブ、リトリーブの機能を提供する「Compliance Vault」を発表した。
メッセージデリバリに必要な機能を、アプライアンスの形式で提供する同社のビジネスや、他のソリューションに対する優位点について、米MirapointのCEOである、Barry M. Ariko氏に聞いた。
--メッセージングとセキュリティのアプライアンスに特化したミラポイントのスタンスはとてもユニークだと感じます。この10年で、市場には同様の製品を提供する数々の企業が現れましたが、その多くは市場から離れたり、買収されたりしています。そうした中で、ミラポイントが現在のスタンスを守っている理由は何だと考えますか。
まず、最も大きな理由は「品質の高さ」でしょう。さらに、インストレーションが容易で、信頼性が高く、TCOを抑えられるという3点での価値提案に優れていた点も挙げられると思います。これらは、いつの時代でもユーザーから求められることだからです。
メッセージングのようなインフラ製品の分野では、マクロなトレンドとしてアプライアンスを求められる傾向が強くあると思っています。従来のように、汎用コンピュータにソフトウェアを載せて、それをソリューションとして使うやり方では、導入も大変ですし、信頼性も低く、オペレーションコストもかさんでしまいます。
そうした状況に対して、現在は2つの方向性があります。Salesforce.comのような「SaaS」の流れと、ミラポイントのように、インフラ製品の中で企業に必須の機能をアプライアンスの形で提供するという流れです。
こうした流れの背後にある原動力は、他企業との差別化が可能な部分に企業の持つノウハウや専門知識を投入していきたいというニーズでしょう。SaaSや、シンプルに利用できるアプライアンスを導入することで、余裕のできたリソースは、より競争優位を生み出す部分に投入していくという傾向が見られます。