内部統制でニーズが高まるメールアーカイブ--ミラポイントがアプライアンスを発売

吉澤亨史

2006-10-17 18:29

 ミラポイントジャパンは10月16日、メールアーカイブ専用のアプライアンスサーバ「Mirapoint ComplianceVault」を発表した。

 今回発表されたMirapoint ComplianceVaultは、エントリーモデル「MCV100」と、ミッドレンジモデル「MCV370」の2種類。ストレージハードウェアと管理用ソフトウェア、OSなど、メールアーカイブに必要な機能が、1Uあるいは2Uのラックマウントタイプの筐体に統合されている。

湯佐嘉人氏 ミラポイントジャパン社長の湯佐嘉人氏

 ミラポイントジャパンで社長を務める湯佐嘉人氏は、「コンプライアンスや内部統制・監査の観点から、メールアーカイブへのニーズが世界的に高まっており、それは日本も例外ではないとして、今回の製品投入に至った」と説明する。特に米SOX法では、メールをはじめとするすべての電子記録を最低5年間にわたり保存することが義務付けられている。また、メールは企業における重要なコミュニケーション基盤であり、インスタントメッセンジャーやモバイルなど、新しいサービスや機能も登場している。

 米MirapointでCorporate Maketing & Global Channelを担当する取締役のCraig Carpenter氏は、「このような現状を踏まえて、ミラポイントでは、信頼できるメッセージングサーバとアーカイブ機能、柔軟なポリシー設定、セキュリティ機能を柱に、日本版SOX法に対応できる製品を提案する」と語っている。

Craig Carpenter氏 Craig Carpenter氏

 Mirapoint ComplianceVaultは、メッセージアーカイブを目的とした業界初のアプライアンス製品であり、アプライアンス製品とすることで、従来は別々に用意していたストレージやシステム、OSなどを統合でき、既存のシステムを変更することなくアドオンできるようになっている。「導入や運用、管理の容易さやコストの削減に有効」(ミラポイントジャパンのプロダクトマネジャー兼技術部部長を務める徳久賢二氏)であるとした。

 企業のメールアーカイブへの関心は高く、徳久氏によれば「法規制の制約を受けないような企業でも導入するケースが多い」という。これは、企業に何らかの問題が発生した際に、アーカイブシステムが有効な証拠になるため、自衛手段として捉えているからだ。また、警察が介入するような場合では、証拠品としてメールサーバを押さえられてしまうことがあるが、アーカイブによるデータがあれば、サーバが押収される事態を回避できる。

 エントリーモデルのMCV100と、ミッドレンジモデルであるMCV370の違いは、ストレージ容量が前者は1テラバイトであることに対し、後者は3.7テラバイトとなっている。この容量は、中小企業あるいは大企業の部署単位で半年から1年のメール環境をカバーできるもので、まずは過去半年から1年間のメールをアーカイブしようというスタンスだ。ミラポイントでは今回の2製品に続き、今後数年にわたってアーカイブを可能にする製品も提供する予定だという。

 このほかスペック面では、MCV100は1Uラックサイズとなっており、プロセッサに「Single Intel Pentium 4/3.00GHz」、1Gバイトのメモリを搭載。MCV370は2Uラックサイズに「Dual Intel Xeon プロセッサ 2.33 GHz」のプロセッサと4Gバイトのメモリが組み合わされる。ディスク構成はMCV100がRAID 0、MCV370がRAID 5となっている。

 アーカイブ機能では、海外の法規制では必須となっているWORM(Write Once Read Many)方式に対応している。これは一度書き込んだデータは消すことができないという機能。管理や運用、設定などはブラウザ経由で行うことができ、アクセス制御やポリシー設定も可能だ。画面などの表示はすべて日本語に対応しており、あいまい検索をはじめとする検索機能も日本向けにチューニングされているという。

 MCV100は10月16日から発売され、価格は430万円、MCV370は11月に発売予定で、価格は未定としている。また、容量を追加するための「MCV Cluster」は2007年春に発売予定だという。ミラポイントでは初年度目標を2億円と設定しており、各種キャンペーンも実施される。なお、初期設定は1時間ほどで完了するため、短期での導入が可能となっている。

 ミラポイントは、Mirapoint ComplianceVaultによってアーカイブにおけるソリューションを提供したことになり、メッセージシステムやポリシー作成に対応する「Mirapoint Message Server」、セキュリティ機能を提供する「Mirapoint RazorGate」と合わせ、すべてをアプライアンスで提供できるようになった。今後もトータルメッセージアプライアンス企業として、多くのソリューションを提供していく計画だという。

ComplianceVault Mirapoint ComplianceVault

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  5. セキュリティ

    最も警戒すべきセキュリティ脅威「ランサムウェア」対策として知っておくべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]