日本BEAシステムズは12月12日、EPCglobalが標準化を進めている国際標準「EPCIS(Electronic Product Code Information Services)」の最新仕様を実装したエンタープライズクラスのRFID開発基盤を実現するための新製品「BEA WebLogic RFID Enterprise Server 2.0」の出荷を開始したことを発表した。価格は、1CPUあたり1138万5000円(税別)となる。
BEA WebLogic RFID Enterprise Server 2.0は、同社のJavaアプリケーションサーバ製品である「BEA WebLogic Server 9.2」の上に実装されるRFID開発基盤製品。小売店や倉庫、データセンターなどのエッジ(末端)で集められたRFIDイベントデータの集中管理を可能にする。
また、EPCglobalのApplication Level Event(ALE)に準拠した「BEA WebLogic RFID Edge Server」と組み合わせることで、企業および取引先全体の、人員、各種プロセス、アプリケーションおよびシステム間のギャップを容易に埋めることが可能になる。
これにより、RFIDソリューションと既存のSOA(サービス指向アーキテクチャ)インフラを容易に統合できるほか、拡張された機能性により、業務プロセスの可視性と管理性を高めると共に、安全で信頼性の高いエンタープライズクラスのRFIDソリューションを実現できる。
新製品では、2007年1月に標準仕様が正式に承認されるEPCIS 1.0の最新ドラフト仕様に準拠した 「EPCISリポジトリサービス」「EPCプロビジョニングサービス」の2つの機能に加え、4つの新機能、「集中管理」「レポーティング・フレームワーク」「データ交換」 「マスタデータサービス」が新たに追加されている。
新たに追加された機能である集中管理では、分散環境における複数のEdgeを一元管理することが可能。レポーティング・フレームワークでは、他社製の分析ツールなどと連携することができる。また、データ交換では、標準プロトコルであるAS2をサポート。AS2によるクエリが可能になる。さらに、マスタデータサービスでは、ロケーション、読み込み場所、モノや業務の状態名などをマスタに登録できる。
機能強化されたEPCISリポジトリサービスは、RFIDからのイベントデータを保存するためのリポジトリ。「なにが」「いつ」「どこで」「なぜ」の4つの観点からのデータモデルを管理することが可能。リポジトリには、Oracle Database、IBM DB2、Sybase Adaptive Server Enterprise、Microsoft SQL Serverなどが利用できる。
そのほかEPCプロビジョニングサービスでは、異なった場所や異なったタグ印刷プリンタにまたがって、ユニークなシリアルナンバーを割り当てることができる。
来日したBEA SystemsのRFID&Edge Server担当CTOでPhDでもあるKenneth R. Traub氏は、「BEAは、2004年2月にEPCglobal ALE 1.0に準拠した商用製品であるBEA WebLogic RFID Edge Serverを、2006年10月にEPCglobal EPCIS 1.0(最終ドラフト)に準拠した商用製品であるBEA WebLogic RFID Enterprise Serverを他社に先駆けて提供し、すでに顧客企業のシステムに実装した実績がある。EPCglobal標準では、今後もリーダーシップを発揮していきたい」と話している。
なお、日本BEAシステムズのウェブサイトから、BEA WebLogic RFID Enterprise Server 2.0の無料評価版をダウンロードすることができる。
日本BEAシステムズは12月6日に、インターネットイニシアティブ(IIJ)と共同で、RFID向けアーキテクチャ「RFID 2.0」に対応する技術プラットフォームを提供することも発表している。この発表により両社は、EPCglobal規格準拠のネットワーク技術とミドルウェア製品を連携させることで、企業におけるRFIDシステム構築を加速することを目指している。