Microsoftは今週、四半期決算の減益を発表する見通しだ。アナリストによると、「Vista」と「Office」の発売延期によって生じた15億ドルの売り上げの繰り延べがその主な原因だという。
Thomson Financialが集計したアナリストの予想では、Microsoftは米国時間1月25日に公表する見通しの第2四半期決算で、売上高129億ドル、1株あたり利益23セントを計上する見込みだという。2006年同期には、118億4000万ドルの売上高から1株あたり34セントの利益を計上している。
売上高が増加しながら利益が減少するという第2四半期の現象の背景には、Microsoftによる「Windows XP」からVistaへのアップグレードプロモーションの展開がある。Vistaの「Express Upgrade」では、XPもしくはOffice 2003が搭載されたコンピュータを購入すると、大幅な割引価格もしくは無償でVistaもしくはOffice 2007にアップグレードできるようになる。
Sanford C. BernsteinのアナリストであるCharles Di Bona氏によると、同プログラムは3月15日まで5カ月間実施されるため、Microsoftは、顧客が割引券やクーポンを利用するまでそこから発生する売り上げを計上できないという。
この売上繰延べ額が15億ドルとなっている。
Microsoftは2006年3月にVistaの出荷を延期すると発表し、発売がホリデーシーズンには間に合わず、2007年にずれ込むことを明らかにした。同社は VistaとOffice 2007のビジネス顧客向けの販売を11月に開始している。一方、両製品の消費者向けの発売は1月30日。
Microsoftはこの発売延期により、第2四半期決算が1株あたり22〜24セントになる予測を10月の第1四半期決算発表時にウォールストリートに通知せざるを得なくなった。アナリストはその際、1株あたり34セントを予想していた。
だがMicrosoftは、10月の発表後も株価を若干上げてきた。米国時間18日の終値は、第1四半期決算発表時の28.35ドルから31.11ドルへと上げている。
Thomson FinancialのリサーチアナリストであるDavid Dropsey氏は、収益認識の遅れは売上高の計上を第3もしくは第4四半期にずれ込ませるだけであり、Microsoftの2007年度全体への影響はない、と指摘した。
Microsoftが第2四半期決算を発表する米国時間18日は、発売延期を何度も繰り返した最新OSのVistaに関する同社のコメントにDi Bona氏などアナリストの注目が集まるだろう。
Di Bona氏によると、ゲーム機「Xbox 360」やサーバソフトウェアの売上は、好調な結果を示す見通しだという。
しかしDi Bona氏は、Googleとの競争が激化するMicrosoftのオンライングループが安定するのはまだ時期尚早だろう、と指摘している。MicrosoftのMSN事業部トップだったDavid Cole氏は2006年、MSNとWindows事業部との統合を支援し、その完了を見届けて辞任した。Googleも2006年、ワードプロセッサやスプレッドシートなどといったウェブベースのビジネスアプリケーションのベータ版を自社ラインアップに追加し、MicrosoftのWordとExcelに直接対抗してきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ