「ユニファイドメッセージング」は、2007年に大きな注目を集めそうな言葉のひとつだ。何となく響きがよい--われわれはこの分断された世界をより統合された(ユニファイドな)ものとする必要があるはずだから--ものの、実際のところ何を意味しており、あなたの企業の成長にどう役立つのだろうか?ユニファイドメッセージング(UM)のコンセプトと、既存ソリューションと今後の方向性を説明したい。
UMとは何か?
ユニファイドメッセージングとは、電子メールやテキストメッセージ、音声、ファクス、ビデオ会議といったさまざまな種類のメッセージを、さまざまなデバイス(コンピュータや電話、PDAなど)からアクセスできるセントラルリポジトリに統合することを、格好良く言い表したものである。ユーザーがコンピュータの受信ボックスから留守番電話に残されたメッセージにアクセスしたり、携帯電話を介して電子メールのメッセージにアクセスしたりするのがUMの例だ。これによって、ユーザーは複数のインターフェースに煩わされずに連絡をとれるようになり、利便性と生産性が向上する。
ユニファイドメッセージングによる優れたソリューションは、他のアプリケーションと統合されており、例えばユーザーが電子メールのメッセージ内容を電話で聞くことができるよう、テキストを音声に変換する技術などを利用している。さらに洗練されたUMは、ユーザーの居場所を特定し、その情報に基づいて受信したメッセージの処理を決定するような位置特定技術を利用している。UM技術に通知手法を取り入れることによって、電子メールやボイスメールの着信を即座に(携帯電話へのテキストメッセージ伝達などによって)知ることができるようになる。また、配信リストを利用することで、複数の人々に対してメッセージを迅速かつ容易に送信することができる。
なぜUMなのか?
電話には絶対に出ないのに電子メールでの連絡はまめに行うという人もいれば、電子メールの受信ボックスは1週間に1回しかチェックしないのに電話は頻繁にかけてくる人もいる。また、インスタントメッセージングにのみ応答するという人もいれば、電子メールの添付ファイルは受け付けずにファクスでしかドキュメントを受け取らない企業も存在する。UMによって、このようにさまざまなユーザーがそれぞれの希望にあったコミュニケーション手法を利用し、重要なやり取りを確実に行うことが容易になる。
また同時に、UMを利用するユーザーは電話やコンピュータの位置的呪縛から解放される。彼らは、他者からの連絡をいつどこで受けるのかをコントロールできるようになるとともに、メッセージをより効率的に処理するために優先順位づけやフィルタリングを行えるようになる。
UMのスケーラビリティ
あなたの企業においてUMによるソリューションの導入を検討する際には、数年後に「すべて破棄してゼロからやり直し」ということにならないよう、企業の今後の成長とニーズの変化を考慮しておくことが重要である。UMによるソリューションは、現行のメッセージングトラフィック容量よりも多いユーザー数/メッセージ数を処理することができ、現在使用しているアプリケーションだけではなく、今後採用する可能性のあるアプリケーションとも連携できるものであってほしいはずだ。