企業におけるVista導入のベストタイミングを考える - (page 4)

木村尚義

2007-01-26 18:30

Application Compatibility Toolkit 5.0

 Windows Vistaは以前のバージョンとの互換性を考慮して開発されてはいるものの、アプリケーションによっては動かなかったり、一部の機能が使用できなかったりといった問題が起こることがある。

 そんなときに、以前のWindowsで動作していたアプリケーションを、Vistaで動作可能にするための一連のツール群である。おもに、ソフトウェア評価のために利用され、インベントリ一覧の作成を支援するツールと、アプリケーションの互換性を確保するための支援ツールによって構成されている。

ユーザー状態移行ツール(USMT)3.0

 PCを利用している各ユーザーごとの設定や文書を新たな環境へ移行するためのツールだ。

 デスクトップ情報、ユーザーアカウント、アプリケーション設定、および送受信したメールやユーザーが作ったファイルなどを、現在の環境からVistaに移行できる。また、ルールに従ったカスタマイズも可能である。

Virtual PC

 現時点で、Vista上で動かないことが判明しているアプリケーションの、今後の対応状況が不透明だというケースもあるだろう。もし、そのアプリケーションを動かすことが必要で、なおかつVistaへの移行を進めたい場合には、「Virtual PC」による仮想環境で、今まで使っていたOSとアプリケーションを使用できる。

 現在、マイクロソフトは「Virtual PC 2004」の無償提供を行っており、2007年中にはVistaに正式対応する「同 2007」を、同じく無償提供すると発表している。

 社内で使うPCにはVistaを導入してしまい、Vistaで動作しないアプリケーションについては仮想環境上の従来のOS上で利用しながら、対応を待つという選択肢になる。Vistaへの移行後、普段、利用頻度の少なかったアプリケーションの非互換が判明した場合などにも有効だ。

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