富士フイルムは4月26日、デジタル印刷機とオフセット印刷機へのデータ出力を統合管理し、データ出力先の切替を容易にする印刷フローシステム「FUJIFILM WORKFLOW XMF」の販売を4月から欧州で開始したことを発表した。
同製品は、一般的な出版・商業印刷における「企画・デザイン」「製版」「校正」「刷版」「印刷」「製本・加工」の各工程の一元管理を可能とし、印刷物製作工程の省力化・効率化を実現するソフトウェア。オフセット印刷機とデジタル印刷機の切替えを素早く行えるようにすることで、たとえば数量の多い初版1万部はオフセット印刷で製作し、短納期かつ小ロットの追加500部はデジタル印刷で製作する、といった顧客ニーズに応えたい考えだ。
Postscriptなどで記述された印刷用の文字・画像データを、プリンタなどで出力できるように変換する「Raster Image Processor(RIP)」エンジンには、「Adobe PDF Print Engine」を搭載している。RIPエンジンにAdobe PDF Print Engineを搭載したのは、世界初という。
PDFデータをPostScriptに変換した後処理していた旧来のAdobeのRIPエンジンに比べ、Adobe PDF Print EngineはPDFデータを変換せずにそのまま処理するため、文字・イラスト・画像の解像度、クリエイティブ効果、カラーマネジメントなど顧客・制作者側の意図をより忠実に反映することができるという。
欧州に続き、世界各地域で順次販売を開始する。