(前回よりつづく)
「昨日の夜はかなり進んだなぁ」。私は通勤電車の吊皮につかまりながらとりとめもなく考えていた。
わが社がSecond Lifeに早期参入するという目的だけであれば、オフィスは既に完成したといってもよい。しかし、単純なオフィス機能だけではなく、わが社、または、業界特有のオフィス機能を追加したい。
では、メーカーとして必要なものは何だろうか?……う〜ん、例えば、「試作品を社員全員でイメージを共有するためのクローズドなプレゼンテーションスペース」かな。それとも「実際の模型を作る前のデジタル模型を作り、置いておくスペース」かな。さらに言えば「関連工場に製品の作り方をレクチャーするためのe-ラーニングシステム」かな。これなら場所が離れていても相手も見ることができるし、Second Lifeのビューアは無料だから誰でも見ることができるし、いいかもしれない。う〜ん。いろいろ考える必要がありそうだ。ちょっと他の部署にも相談してみよう。
私は眠い目をこすりながらも、通勤の電車の中ではまだSecond Lifeの3次元世界から抜け切れていなかった。そして、さまざまな可能性を考えるうち、私はだんだんと覚醒しつつあった。
前回の復習
前回は、シーネットネットワークスジャパンのSecond Lifeオフィス(Cyber Adventure 118, 30, 31)に与えられた目的のうち、3番目の「連載との連動」と4番目の「サイトPV増加」を実現するため、「浮かぶ文字」スクリプトと「URLリンク」スクリプトを施したボードを入り口付近に設置した。
スクリプトといっても、該当する文字部分やURL部分を目的に合うよう入れ替えて記述し、オブジェクトの「Contents」タブへ入れてしまえば、同じものができてしまう。難しく考える必要はない。
また、最後に企業ロゴをあしらった看板を屋外に設置した。
「メディア企業としての機能」とは
さて今回は、オフィスに与えられた目的の4番目である「Second Life内でメディア企業が必要とする機能の設置(メディア企業としての機能設置)」を考えていこう。
Second Lifeには米国CNET Networksのオフィスが既に存在する。このオフィス内には「カンファレンスルーム」があり、著名人へのインタビューやプレス発表などが時折開催される。よって、日本においても、そのようなメディア企業としての機能をオフィスの一画に持つ必要がある。
さて、そのカンファレンスルームだが、下図のように現在地下に設置されている。これはオフィス制作に協力してくれたクリエイターであるDaiさんの意思がある程度反映されている。「通常、オフィスや建物は地上にあるので地下にあると面白いと思った」ということだ(奇妙な偶然だが、実は現実のシーネットネットワークスジャパンも地下に会議室がある)。