日本オラクルは24日、Oracle Business Intelligence Applications V7.9.2の提供を開始した。買収により手に入れたSiebelの分析機能とベストプラクティス資産、OracleのBI基盤を生かし、ナレッジワーカーの生産性を向上させる。
「日本の課題はサービスを提供する人々の生産性向上。ビジネスインテリジェンスでその解決を行いたい」と執行役員 アプリケーション事業統括 アプリケーションマーケティング本部長の藤本寛氏。ERPなどこれまでのITシステムにおいてはヒト・モノ・カネという組織のハードウェアというべき部分を管理し、活用することが目指されてきたが、BIによりアイディアや知識、情報といったソフトウェア資産の活用を進め、企業の競争力強化につなげたいという。
ここでまず必要なのは、実行を行う人に正確な情報を必要十分かつ素早く提供することとなる。
しかし、一般的なBI基盤においてはこのための準備段階であるデータウェアハウスによる情報の収集と統合にコストと時間がかかる。Business Intelligence Applicationsでは同社のOracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionを基盤とすることで、簡単で素早い収集と統合を実現し、データクレンジングによる必要十分な情報の抽出を行う。
次に情報を業務の分析や実行に生かすための指標であるKPIが必要となる。Business Intelligence ApplicationsではSiebelの資産をもとにした業界ごとのベストプラクティスを組み込みKPIとして提供する。また、同じくSiebelのAnalistic機能により組み込みの分析機能も提供される。こうしてKPIと分析のテンプレートが組み込まれることで素早い導入が可能となる。これまでSiebel CRMや一部のERP製品など対象が限られてきたこれらの資産を企業のIT全体を対象に提供する。
国内でも毎年10%今日の成長率を記録し、400億円超の規模を持つBI市場、しかし、この成長はBI導入の難しさによるところも多いだろう。オラクルでは同社のテクノロジ基盤とSiebelの分析機能、そしてベストプラクティス資産を生かし、「ユーザに使われない」「本当に必要なデータがない」「レスポンスが悪くデータも古い」といった課題の解決をはかる。