NECは6月1日、ユーザー中心設計プロセスという考えで社内のシステム開発手法を体系化したと発表した。この新たな開発手法を適用することで、受託開発システムのユーザビリティやユーザーインターフェース(UI)開発効率を向上させ、開発コストの低減を目指す。
NECが体系化した開発手法は、システム開発向け統合開発環境「SystemDirector Enterprise」をベースとする社内のシステムインテグレーション(SI)標準プロセスに、ユーザー中心設計プロセスの国際標準である「ISO13407:Human-centered design processes for interactive systems 1999」「JIS Z8530:人間工学-インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス(2000)」を適用したもの。同社は「ユーザビリティ重視の視点を、システム開発現場における具体的な手順として体系化して盛り込んだ」と説明する。
新たな開発手法では、各開発フェーズで担当者が参照できるドキュメント体系を整備した。その結果、ユーザビリティ向上のために何をすべきかが具体化し、担当者ごとに異なる「使いやすさ」の基準統一が実現し、ユーザビリティの高い製品を効率的に開発できるようになるという。このドキュメント体系はアクセシビリティについてのガイドラインも含んでいるため、同開発プロセスに従うと、アクセシビリティ規格「JIS X8341」に準拠したシステムを構築できる。
NECが試験的に新規システム構築案件に適用したところ、「UI部分に関する設計および仕様化に必要なコストを6割から7割程度削減できた」(同社)。