Symantecは6月12日、米国ラスベガスにて開催中の年次イベント「Symantec Vision 2007」にて、企業向けデータ保護ソリューションの最新版「Veritas NetBackup 6.5」を発表した。NetBackupは、Symantecが同日発表したストレージ環境統合に向けた新戦略「Storage United」実現のための中核的な製品となる。
NetBackupは、ディスクバックアップやデータの重複排除、スナップショット、レプリケーションなど、さまざまなデータ保護手段を統合するためのプラットフォームを提供する。同製品についてSymantec データセンター管理グループプレジデントのKris Hagerman氏は、「単一のツールですべてのベンダーの製品や技術を管理できる」と話す。
「例えば競合製品の場合、データの重複排除やレポーティング、ディスクバックアップなどを実施するためには、それぞれ個別のツールが必要だ。NetBackupでは、個別にツールを提供するのではなく、単一製品の一部として機能を統合する。また、サードパーティーベンダーのサポートの幅広さはどこにも負けない」(Hagerman氏)
NetBackup 6.5では、4つの新機能が搭載されている。それは、1) 複数のPC間はもちろん、リモートオフィスサーバからデータセンターまで、NetBackup環境全体でのデータ重複を排除する機能、2) SANを介した大規模な共有ディスクプールへのプーリングや共有、バックアップが可能なディスクバックアップ機能、3) インテリジェントバックアップアプライアンスと仮想テープライブラリの統合、4) 異種混合環境でのスナップショットと継続的なデータ保護機能だ。
また、NetBackup 6.5では、これまでのようにサーバベースでのソフトウェア課金モデルに加え、容量ベースの従量課金モデルを新たにオプションで提供する。「通常ストレージは、容量の大きさによって価格が変わってくる。多くの顧客がこの課金方式をソフトウェアにも適用してほしいと考えており、NetBackupではこの課金方式も選択できるようにした」とHagerman氏は説明する。
ただし、今回のNetBackup 6.5の発表は米国市場に向けてのもの。日本市場では2007年後半に発表される予定だ。従量課金モデルの日本市場での導入については、「現在検討中」(シマンテック日本法人広報部)としている。