マイクロソフトとSAPジャパンは7月12日、Microsoft Officeをフロントエンドに、SAPアプリケーションを活用できるソフトウェアの新製品「Duet for Microsoft Office and SAP 1.0日本語版」(Duet:デュエット)の販売を開始したことを発表した。Duetは、両社が共同で開発した製品で、発売から1年で250社40万ライセンスが全世界で販売されている。
Duetは、Microsoft Officeをインタフェースに、SAP ERPの休暇管理や出張管理、予算管理、需要計画、購買管理、レポート/分析などの機能にシームレスにアクセスするためのソフトウェア製品。たとえば、Microsoft Outlookの予定表から休暇申請を行ったり、Microsoft Outlook を使用してSAPレポートをリクエストし、抽出されたデータをMicrosoft Excelで活用できる。
これによりビジネス情報に直感的にアクセスすることができるほか、適切なタイミングでの意志決定が可能。作業時間の短縮とコストの削減を実現する。また、フロントエンドにMicrosoft Office製品を採用することで、特別なトレーニングを行うことなく、導入後すぐに直感的に利用することができる。
マイクロソフトの執行役専務 エンタープライズビジネス担当、平井康文氏は、「マイクロソフトが“People Ready Business”とSAPのエンタープライズSOAの目指す方向性は同じ。両社が協業することで、1+1が単純に2ではなく、3にも、5にも、10にもできる新しいコンピューティングモデルを実現できる」と話す。
また、SAPジャパンのシニアバイスプレジデント パートナー&マーケティング統括本部長、安田誠氏は、「最も利用されているMicrosoft OfficeからSAP ERPを利用できることにDuetの意味がある。使い慣れたインターフェースを利用できることで業務の効率化が可能になる。両社の協力によるDuetの実現は、エンタープライズSOAの成果のひとつでもある」と話している。
今後は、Duet対応シナリオの強化、提携/非定型ワークフローのサポート、開発/カスタマイズツールの提供の3つを柱にDuetの機能強化を推進。2007年末には次期バージョンの「Duet 1.5」を、さらに2008年には「Duet 2.0」「Duet3.0」のリリースも計画されている。
Duet 1.5では、the 2007 Microsoft Office SystemやCitrixクライアントをサポート。Microsoft Outlook、Microsoft Excelに加え、Microsoft Wordに対応。SAP ERPのデータからダイナミックにデータを抽出し、Microsoft Wordで契約書を作成、ワークフローで承認作業を行う仕組みを強化されたカスタマイズツールで短期間に開発できる。
またDuet 2.0では、Office SharePoint Server 2007との統合や、インターフェースとワークフローを組み合わせたシナリオテンプレートなどが搭載される予定。さらにDuet 3.0では、Microsoft Officeの次期バージョンやOffice SharePoint Serverの次期バージョン、SAP Business Suiteなどをサポート。ユーザーからのフィードバックをもとに、必要な機能が順次追加される。
なお、2007年7月12日現在、アクセンチュア、アビーム コンサルティング、オデッセイ、テクノスジャパン、東洋ビジネスエンジニアリング、日本総研ソリューションズ、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所、富士通、べリングポイントのパートナー企業11社が、Duetのコンサルティング、導入、販売の支援を行うことを表明している。