最近のモバイル機器の派手な広告は携帯電話タイプの機器が中心となっており、これらの機器は2、3年前と比べて格段の進歩を遂げている。しかし、ほとんどの企業では多くの従業員に供与するモバイル機器は依然としてラップトップであり、そのため技術管理者にとっては従業員が保有しているデータの把握が余計に困難な課題となっている。
豪ビクトリア州政府機関のParks Victoriaは、「Garden State」の異名を持つ同州の公園410万ヘクタール(39の国立公園、13の海洋国立公園、11の海洋保護区、2785の自然保護区、アボリジニ関係局(Aboriginal Affairs Victoria)に登録された8400の先住民族の文化遺産などを含む)の管理を担当している。
言うまでもなく、これほど広大な土地をパトロールするには長距離の移動が必要であり、Parks Victoriaでも当然モバイルコンピューティングを導入している。しかし、かつては十分なモバイルコンピューティング能力を提供するのが困難だった。州各地に点在する110カ所の事務所で働く1200人のスタッフが使用できるラップトップは70台にすぎなかったのである。
「基本的にスタッフ全員がデスクトップ機を持っていたが、公園の現場に出るときや、さらにモバイル機能が必要なときには、自力でノートPCを探して準備しなければならなかった」と、ネットワークマネージャーのGavin Russell氏は説明する。「要求のレベルは常に実際の能力を超えていた」
接続を維持するために
Parks Victoriaでは、3年ごとのデスクトップ機更新サイクルが前回の終了時期に近づいていたときに、スタッフのメインマシンをラップトップに移行できないか調査を開始した。ラップトップへの移行は、スタッフにモバイル能力を提供する意味でも、カーボンニュートラルを達成するという同機関の目的をかなえるという意味でも大きな成果が期待できた。