富士通は10月15日、次世代ネットワーク(NGN)における運用管理と品質管理を実現するネットワークサービス管理ソリューション「ProactnesII」を開発したと発表した。2008年度第1四半期より販売開始する。
富士通 ネットワーク管理ソリューション事業部 事業部長の野村豊夫氏は、「次世代のオールIPネットワークでは、機器の不具合やパケットの特性を監視するだけでなく、そこで提供されるサービスそのものの品質を管理する必要がある。ProactnesIIでは、品質の予兆管理やサービスへの影響の特定まで、さまざまな運用管理ソリューションを提供する」と述べた。
ProactnesIIには、ネットワークサービス上の音声や映像に対し、ユーザーが実際に体感する品質(体感品質「QoE:Quality of Experience」)を管理する「ProactnesII QM」と、数十万規模の通信機器で構成される大規模ネットワークの監視や運用管理を実現する「ProactnesII NM」がある。
品質管理ソリューションのProactnesII QMは、ネットワーク上のパケットを汎用サーバで正確に計測し、サービスのトラフィックを直接収集、分析、品質の変化を検知することで、ネットワークサービスで提供される音声や映像の体感品質を定量化する。これは、富士通研究所が開発した技術で、IP電話の音の聞こえやすさやネット配信の映像の見えやすさなど、ユーザーが感じる品質を「見える化」するもの。また、常時モニタリングすることで、リアルタイムに品質変化や障害傾向分析、予兆検知ができ、ユーザーがサービスの品質劣化を感じる前に対策が講じられる。
運用管理ソリューションのProactnesII NMは、同社が2000年8月に発売した「Proactnes/SN」のアーキテクチャーを改良したものだ。数十万規模の通信機器で構成される大規模ネットワークにも対応し、コア網からアクセス網までの障害監視や、MPLS-VPN制御、VLAN制御などができる。
野村氏によると、富士通ではこうしたネットワーク管理レイヤの製品に加え、ネットワークを使ってサービスを提供するレイヤの製品も年内に発表する予定だとしている。
富士通は、2000年よりProactnes製品を提供していたが、ProactnesIIではNGN関連サービスも含め、「これまでの2倍の売り上げ目標を掲げており、3年で200億円の売上を目指したい」(野村氏)としている。