コンサルやサポートなどのサービスを中心に事業展開進める--ゼンド・ジャパン - (page 3)

田中好伸(編集部)

2007-11-19 08:00

 「なぜ企業が、OSSを商用プロダクトと同列に検討するかと言えば、今目の前にあるのだから使わない手はないということでしかない。日本で今以上にOSSを普及拡大させていこうとするのならば、たとえばOSSと商用プロダクトを組み合わせて、企業の要求に応えるなどの意味のあるものにしていく必要があるだろうと思っています」(同氏)

 鈴木氏は、日本という市場でOSSが置かれている状況を、これまでのように分析しつつ、OSSが日本で誤解されているのではないか、と懸念もしている。

開発スタイルを変えてしまったOSS

 OSSの代表格といえばもちろんLinuxになるが、Linuxがそれまでのソフトウェアと何が違っていたのか。このことについて鈴木氏は「Linuxがここまで普及してきたのはなぜか。それは、Linus Torvalds氏が開発したからではなくて、Torvalds氏が自分で作ったカーネルをネットで公開したから、ここまで普及してきたのです」と語っている。鈴木氏によれば、日本人はその意味を正しく理解していないと指摘、そのことが「OSS=タダ」という間違った認識のもとにもなっていると説明している。

 鈴木氏は、Torvalds氏がカーネルをネットで公開した時から、ソフトウェアの開発スタイルは決定的に変わってしまったとしている。ソフトウェアを世界に公開することで、世界の至る所で24時間常に開発作業が行われることになる。そうした状況では、開発スピードが圧倒的に向上することにもつながる。開発者同士に存在していた時間差も国境線も関係なくなっているのである。

 では、そうしたOSSでの開発スタイルは、日本で定着していると言えるか? 答えはもちろんノーだ。つまり、日本のSIerが過去数十年間で培ってきた、1カ所に集まって一斉に取りかかる開発スタイルとOSSのそれは異なっており、日本のSIerはいまだにスタイルを変えていない。鈴木氏は、日本でOSSが予想以上に普及拡大していないのは、そうしたことが遠因にあると指摘している。

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