インフォテリアは12月4日、マスタデータ管理(Master Data Management:MDM)のための新製品「ASTERIA MDM One」の提供を2008年2月中旬より順次開始することを発表した。これにより同社は、システム連携分野からマスタデータ連携分野へとビジネスの領域を拡大することになる。
MDMは、個別開発やパッケージ導入により、システム上に重複して管理されている顧客マスタや製品マスタを連携し、一元的に管理するためのソリューション。MDMにより、システムにおける重複データや無効データの発生などの問題を解決し、データ品質を高いレベルに保つことが可能になる。
ASTERIA MDM Oneは、マスタデータ連係の中核となる「ASTERIA MDM One Master Hub」および統合マスタ管理用インターフェースである「ASTERIA MDM One Master Maintenance Interface」の2製品と、データ品質を向上させるサービス「ASTERIA MDM One Data Quality Service」および統合マスタ用テンプレートを提供する導入支援サービス「ASTERIA MDM One Template Service」の2つのサービスで構成される。
ASTERIA MDM One Master Hubは、システム連携ソリューションである「ASTERIA」の“つなぐ技術”をベースにマスタデータ連係を行うためのデータハブ製品。ASTERIA MDM Oneの中核となる。価格は、1インストール環境2CPUまでのサポートで3つのシステムを連携可能な最小構成が400万円より。2008年2月中旬より提供が開始される。
また、ASTERIA MDM One Master Maintenance Interfaceは、マスタ情報登録や管理、データメンテナンス、ユーザー管理、承認機能などの機能を提供する統合マスタ管理用インタフェース製品。2008年春ごろの提供開始が予定されている。
一方、サービスとして提供されるASTERIA MDM One Data Quality Serviceは、「Trillium Software System(トリリアム)」を活用し、マスタデータの標準化や統一化を実現する新サービス。トリリアムのライセンス販売からデータクレンジングまで、総合的なサービスをパートナー企業と共に提供する。
価格は200万円より。クレンジング対象データ量や成果物に応じて変化する。サービスの提供開始は、2008年2月中旬を予定している。
トリリアムは、テキサス州サンアントニオに本拠を置くHarte-Hanks Data Technologiesが開発/提供するデータクレンジング/名寄せツール。すでに150社以上の日本企業に導入された実績がある。
さらに、ASTERIA MDM One Template Serviceは、MDMの実現に向け、マスタ分類や構成モデルなどのための統合マスタ用テンプレートをインフォテリアが提供する新サービス。コンセプトトレーニングやコンサル支援サービスとして、2008年春より提供が開始される。
インフォテリアの代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)、平野洋一郎氏は、「ASTERIAのリリースから5年強、すでに400社以上に採用されている。また、アットワープ プロダクトアライアンスには43社が参加しており、実際につながるソリューションを提供してきた。MDMは、我々にとって“次の一手”だ」と話す。
同氏は、「企業システムにおいてマスタデータを単一に管理するのは現実的ではなく、単一のバージョンで管理されるべき(A Single Version of Truth)というのが、MDM実現のための我々のメッセージだ。ASTERIA MDM Oneにより、より最適なマスタ連携を実現できる」と話している。