「現状では、日本市場におけるインターウォーブンのビジネスはまだまだ小さなものだが、日本のコンテンツ管理システム(Contents Management System:CMS)市場は、大きく成長する可能性を秘めている」と話すのは、2007年11月12日付けでインターウォーブン・ジャパンの代表取締役に就任した熊代悟氏だ。
熊代氏は、「グローバルでは、CMSは単なるコンテンツ管理ソリューションではなく、インターネット環境を利用して売り上げを向上する戦略的なマーケティングツールと位置づけられている。しかし日本企業の多くは、まだCMSを導入しておらず、ここ数年でようやく“CMS”という言葉に対する認知度が向上してきたところだ」と話す。
同社のソリューションは、全世界で4000社以上の企業に導入された実績がある。「欧米の顧客は、CMSを導入するという第1ステップを終えたところ、現在は第2ステップである売り上げ向上のための施策を構築しているところだ。この経験やノウハウを生かし、まだCMSを導入していない日本企業に対し、CMS導入のための基盤作りを支援していきたい」と熊代氏。
同氏は、「日本企業へのCMS導入を拡大して行くには、引き続きCMSの効果を啓蒙していくことが重要になる。今後も平均40%の成長率を続けていきたいと考えており、年間20社程度の新規ユーザーを増やしていきたい」と話している。
「新規ユーザーを増やす以外にも、我々のCMSでこんなことができるという事例を増やしていきたい。単なるコンテンツ管理ツールではないというのが永遠のメッセージ。情報を正しく管理して、最適に活用することで売り上げ向上に直結するツールであることを伝えていくことが我々の使命だ」(熊代氏)
2007年3月にリリースされた「Interwoven Targeting」も、すでに米国では導入実績があり、具体的に売り上げが何%増えたという導入効果も明らかになっている。Interwoven Targetingは、セグメンテーションと分析の機能を提供する製品。ウェブサイトの企画(Create)から制作(Deploy)、訪問者への配信(Deliver)、訪問者の行動分析(Analyze)へとつながるウェブマーケティングのクローズドループを実現する。
「我々のCMSソリューションを導入することで、いかに売り上げを向上できるかといった導入効を日本の企業に紹介していくことも、今後の取り組みのひとつになる。日本のユーザー企業の多くは、コンテンツ制作を外部の会社に委託しており、成果物として納品されたコンテンツを十分に管理できているとはいえない」(熊代氏)
そのため、“必要な情報が最も提供されていないのはメーカーのウェブサイトだ”という笑えない話しを耳にすることもある。
「これまではシステム開発系のパートナー企業が多かったが、今後はコンテンツ制作系のパートナーやマーケティング系のコンサルティングを提供するパートナーも増やしていきたい。技術的には可能でも、それをいかにマーケティングに結びつけていけばよいのかを含めたソリューションの提案が必要になる」(熊代氏)
熊代氏は、「単にテクノロジを語るのではなく、顧客がビジネスで抱える悩みを共有し、それを我々のソリューションでいかに解決できるかを提案できる体制を築いていきたいと考えている」と今後の抱負を語っている。