- 意欲 「オーバーアチーバーは自分が成功した理由をいつも理解しているとは限らず、しばしばその結果に疑問を感じる。したがって彼らはさらに努力を重ねる。そして自分と同じくらい努力しない人間を見るとすぐに耐えられなくなる。彼らの多くは社交性という面で問題点を抱えている」--Frank Tallman氏、Professional Development Consultingのディレクター兼Cレベルエグゼクティブコーチ
- 高い期待 「自発的に行動し、主体性を持った人物を見分けるために求職の面接では『大学では何をしていましたか』というような質問をする。ほとんどのオーバーアチーバーは自分や周囲の人に対して高い期待を持っている」--Toby Tobin氏、Xeroxのマウンテンウェスト地区の営業活動担当バイスプレジデント
- 忍耐力の欠如 「ほとんどのオーバーアチーバーは同じことについて何度も説明を求められることに耐えられない。彼らはなぜ他人が自分と同じようには物事の全体像が見えないのか理解できない」--Christopher Coppola氏、独立系映画制作会社Ears XXIのディレクター
- 優れた判断力 「多くのオーバーアチーバーは優れた問題解決能力、先見性、鋭い洞察力、会社の社風に溶け込む能力を持っている」-- Ken Elefant氏、ベンチャーキャピタル企業Opus Capitalの共同設立者
性格タイプを理解する
目的:オーバーアチーバーの能力を最大限に引き出すために、彼らのやる気を起こさせる要因が何かを学ぶ
オーバーアチーバーにとって期待された以上の仕事を完了させることは、ドラッグと同じような肉体的、精神的な高揚感をもたらす。しかし時間の経過に伴って徐々に高揚感を得るのが難しくなるので、彼らが2〜3年以上も現在の地位で満足してそこにとどまっていると思ってはならない。ほんどのオーバーアチーバーはあなたの指導に感謝するが、すぐに飽きて次の挑戦へと進みたくなる。
オーバーアチーバーを称賛しさえすればその見返りに感謝してくれるだろうと期待してはならない。彼らは自発的に物事を実行しようとする傾向があり、決まりきった手続きには耐えられないと思っているので、他の従業員よりも多く上司の時間を要求してくる。例えば、すぐに新しいアイデアを検討したがる。Pfizerのグローバル製造部門の意志決定支援システムでディレクターを務めるStephen Kern氏は、オーバーアチーバーと仕事をするのは好きだが、彼らは1つのプロジェクトに過度の時間を費やしても、それを完成させることができないことがあると言う。「チームにオーバーアチーバーがいるのは良い面もあるが、彼らに焦点を合わせようとすると多大なエネルギーが要る。なぜなら彼らは常に目の前にある職務以上の仕事を達成しようと思っているからだ」とKern氏は言う。
オーバーアチーバーは一見、散漫で集中できないでいるように見えたりもするが、その態度は彼らが過度に1つの仕事に集中しているというメッセージでもある。そして彼らは間違えることが嫌いなので、批判に対しては必ずしも好意的に反応するとは限らない。Clearstone Venture Partnersでマネージングディレクターを務める William Quigley氏は最高経営責任者(CEO)や会社の創設者にもこの問題が見られると指摘する。複数の企業で取締役を務めているQuigley氏は、オーバーアチーバーの傾向があるCEOには多くの時間を割いて念入りな質問をするのだという。「彼らにサプライチェーンの問題点を指摘してその解決策を示すのはあまり有用なやり方だとは思わない。そのかわりに、資源の制約があると思いませんか、どの領域により多くの支援が必要だと思いますか、というような、彼らの優先事項に関する包括的な質問を投げかける」とQuigley氏は語る。
命令するのではなくインスピレーションを与えて指導する
目的:トップパフォーマーに彼らが必要な柔軟な環境を与える
オーバーアチーバーはいちいちこうしろと指示されるのを好まない。上司はオーバーアチーバーをできるだけ意志決定やプランニングに関与させることによって、彼らから最大限の結果を引き出すことができる。彼らの仕事に問題がある場合は、それをどのように修正するかを指摘するのではなくて、どのような解決策がふさわしいかを彼らにたずねるほうがいい。次に不干渉主義(ハンズオフ型)マネージメントの戦略をいくつか紹介する。