あなたの会社こんな人いませんか?:がんばりやさんのマネジメント(その1) - (page 4)

文:Laurie Sullivan
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2007-12-27 12:00

 情緒に訴えるコーチングをする。彼らが仕事をうまくやり遂げたときにはほめる。オーバーアチーバーは自分に対する称賛についてはそれを重視していないような振りをするが、彼らは自分の価値を知っており、あなたが彼らの貢献を認めてやらない場合はあなたを尊敬しないだろう。彼らも時には細かい事柄に行き詰まることがあり、その場合は上司が励まし、動機付けし、目標を設定し、指示を与える必要がある。また、時に応じて現実的な視点からチェックをする人物も必要だ。Bit9のMay氏は、営業スタッフに対して相手の情緒に訴えるコーチングを施し、前向きな態度を継続的に強化するという。「わたしは彼らに『月間販売目標の150%ではなくて100%しか達成できなかったからといって、そんなことで君たちを解雇するものか』と言わなければならない」とMay氏は述べる。

 障害を取り除く。オーバーアチーバーは障害に見えるものや実際の障害があれば即座に会社を辞めてしまうことがある。社内におけるあなたの立場を活用して、形式主義的な手続きを手早く済ませて、成功のための準備をすることだ。ほとんどの幹部は、プロフェッショナルなサービス、営業からマーケティングにいたるまで、会社で誰がトップパフォーマーかを知っている。これをうまく利用して、具体的なノルマを到達した従業員のためにビジネスプロセスを簡略化することだ。例えば、十分な実績を持っているITプロフェッショナルには特定のコード開発の承認をより迅速に与えることも可能かもしれない。XeroxとIBMでは、決まり切った事務手続きを回避してトップパフォーマーが自分のプロジェクトをすみやかに進めることができるようにしている。

 約束は必ず守る。オーバーアチーバーは簡単にだますことができない。不誠実な態度があればすぐに見抜いてしまう。彼らとの約束は守ることだ。そうすれば信頼と尊敬を得ることができる。「あなたが彼らに対して誠意を見せれば、たとえば『成果を得ようと必死になるあまり、その過程で他人を軽んじてはいけない』というような良い労働倫理を強調することにもつながる」と心理学者であり企業幹部を対象としたコーチでもあるRobert Pasick氏は指摘する。

 彼らの創造力を引き出す。オーバーアチーバーが飽きないように、上司は従業員が独自のアイデアを探求できるような雰囲気を作る必要がある。例えば、Googleでは、従業員は毎週、自分の時間の20%を好きなプロジェクトに費やすことが許されている。それが会社にとって利益になってもならなくてもかまわない。「上司としてあなたは広い心を持つ必要がある」と検索エンジンLycosの最高技術責任者(CTO)であるDon Kosak氏はいう。「新しいアイデアをいつでも受け入れられるようにしておくことだ。なぜなら、オーバーアチーバーが問題を引き受け、あなたが思いもよらなかった解決策を提示してくれることが何度もあるのだから」(Kosak氏)

とびきりのヒント

スターの持つ力

 オーバーアチーバーの満足度を維持する1つの方法は、彼らの長期的な目標を設定してそれらを現在の課題に結びつける方法を考え出し、彼らが輝きを放つプロジェクトを見つけてやることだ。PfizerのKern氏は、毎週のチームのミーティングで現在のプロジェクトと部下の長期的なキャリアの目標を関連づけることによって、彼らの注意と関心を目下の業務に引きつける。またKern氏は、時に応じて能力以上の成果を出そうとがんばりすぎている従業員と「フォルダの中身の再検討」を実施し、この時間を利用してこうしたオーバーアチーバーを指導して彼らのキャリアの目標について話し合うようにしている。

 オーバーアチーバーは常に次の昇進を期待しているとKern氏はいう。「彼らは昇進に値するが、彼らがその能力を十分に発揮できるプロジェクトで仕事をしているかどうかを確認する必要がある。オーバーアチーバーは輝きを放つ必要がある。さもなければ他の会社に移ってしまうだろう」(Kern氏)

チェックリスト

関連書籍

  • “What Got You Here Won’t Get You There: How Successful People Become Even More Successful” by Marshall Goldsmith and Mark Reiter(Hyperion, 2007:邦訳「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」斉藤聖美訳、日本経済新聞出版社、2007年10月)
  • “A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future” by Daniel Pink (Riverhead Books, 2006:邦訳「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」、大前研一訳、三笠書房、2006年5月)
  • “Primal Leadership: Learning to Lead with Emotional Intelligence” by Daniel Goleman, Richard E. Boyatzis, and Annie McKee(Harvard Business School Press, 2004:邦訳「EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方」、土屋京子訳、日本経済新聞社、2002年6月)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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