2008年、スケールエコノミーからクールダウンエコノミーへ

飯田哲夫(電通国際情報サービス)

2008-01-01 08:00

ハードがソフトに追いつかない

 一説によるとキーボードのQWERTY(クワーティ)配列は、キーボードの打鍵速度を遅くするためにわざとタイプしにくい並び順にしたものであると言う。初期のタイプライターでは、一定の組み合わせのキーストロークが素早く行われると、印字アームが絡んで故障するためであると説明されている。

 つまり、印字速度よりも故障防止を優先させたということだ。ハードがソフトに追いつけなくなったために、敢えてスピードを犠牲にした訳である。

 そして現在、地球環境も同じ状況に追い込まれつつある。

 経済の成長というソフトは、それを支える地球というハードでは支えられなくなりつつある。そのソフトを支える上で重要な役割を果たすITが多量の熱を排出するために問題視されている。

 特に情報量の爆発的な増加と流通を支えるサーバとネットワーク機器の消費電力量は、2025年までに5倍になると予想され(経済産業省)、放置することは許されない。

スローダウンではなく、クールダウン

 しかしながら、経済活動においてキーボードと同様の対策を取ることはできない。

 つまり、スローダウンを掲げることは、雨で増水した川を堰き止めるようなもので破綻することは間違いない。先進諸国が急速に経済を減速させることは有り得ないし、成長を続けるインド、中国を押し留めることは不可能であろう。ベロシティ(速度)を緩めることなく、いかにクールダウンさせるかがポイントなのだ。

 IT分野において、既に取組みは始まっている。グーグルは45万台とも言われるサーバ群を擁するデータセンターの消費電力削減や、太陽光発電の活用などの施策を打ち出している(Googleのウェブサイト参照)。

 一方、日本においても、サン・マイクロシステムズなどが共同で地下にデータセンターを建設して消費電力を抑える試みを発表している(関連記事)。

 こうした試みは、まさにコンピュータのパフォーマンスをスローダウンさせることなく、クールダウンする試みと言えるだろう。では、ソフトウェアやサービスの分野はどうだろうか?

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