Microsoftは「Office Open XML(OOXML)」文書形式が「オープン」であることを証明すべく新たな方策を採り始めた。
MicrosoftのOOXMLを国際標準化機構(ISO)の標準規格に準拠させる取り組みに関与している国家機関からのフィードバックに対応し、MicrosoftはOfficeのバイナリ形式情報を提供する方法を変更する。Microsoftはバイナリ形式ドキュメンテーションをウェブ上に掲載する;バイナリからOOXMLに変換するツールをSourceForgeのオープンソースライセンスとして提供する;そしてドキュメンテーションを「Open Specification Promise」の条件下で提供する(これは基本的に「訴訟を防止するための協定」をMicrosoft風に表現したものである)。
MicrosoftはOOXMLの相互運用性を提供する計画を米国時間1月16日に発表した。これは欧州委員会がMicrosoftの反トラスト関連の調査を2件開始したことを明らかにした2日後のことである。このうち1件は、OfficeとOOXMLの相互運用性に関するものであった。(ちなみに筆者は欧州委員会に対し、OOXMLが最新の調査の中で、どのように関連するのかについて、さらに詳細な情報を要請したが、返答は得られていない。)
Microsoftは16日に、2月終わりに予定されているOOXMLのISO標準化に関する投票を見越して、同社のOOXMLに関する作業の裏話を聞こうとする10数人以上のジャーナリストを本社に招待した。(いや、筆者はその中には含まれていなかった。)しかしMicrosoft関係者は、このイベントとニュースは、欧州委員会の調査とは何の関係もなく、タイミングが偶然に一致したと述べていた。
Microsoft Officeのプログラムマネージャーを務めるBrian Jones氏はMicrosoftの1月16日における最新の動きをブログで取り上げていた。Microsoftがバイナリ形式の情報を第三者に公開するのは初めてのことではないと、Jones氏は指摘している:
「今日の市場ではバイナリ形式とOffice Open XMLの両方が大いに利用されていることに注目することは大切である。多くの製品(「OpenOfice.org」のような)がバイナリ形式に対応している。多くの企業や公共機関が、バイナリ形式のドキュメンテーションを受け取り、現時点でそれで作業しており、バイナリ形式とOffice Open XMLとの間のマッピングを作成することができるとMicrosoftは述べている。」
今のところ、現存する唯一の「本当の」バイナリからOOXMLへの変換ツールは、「Sun Open Document Format (ODF) Plug-in for Microsoft Office」である。いくつかの企業(Apple、Adobe、Novell、そしてMicrosoft自身)が、それらの商品にOOXMLサポートを追加する一環としてこの変換を実施しているが、単独の変換ツールは提供していない。
他方で、OOXMLとそのODFライバルの周辺で続く駆け引きと言えば、ODF Allianceが、Burton Groupの調査結果に反論するホワイトペーパーを出した。 先週終わりに出されたBurtonの調査では、OOXMLがODFよりもITのプロにとっては優れたソリューションであると論じられていた。ODF Allianceとその支援者たちは、Burton Groupの調査には多数の誤りがあると主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ