「そんなことは絶対に無理。私が何年も挑戦してきた(のに成しえなかった)のだから」―Sun MicrosystemsのJonathan Schwartz CEOは、同社のソフトウェア・エグゼクティブ・バイス・プレジデントRich Green氏が最初にSchwartz CEOに対してMySQLを買収すべきだと主張したとき、こう答えたという。16日の買収発表にコメントする形で19日に自身のブログで告白している。
Schwartz CEO自身、MySQLは「たったひとつだけ許されるなら、是非とも買収したい対象」と考えていたという。同氏はMySQLのMarten Mickos CEOと「業界事情にキャッチアップし、トレンドやビジネスモデルについて雑談するために」食事を繰り返していた。この席で何となく切り出した「MySQLとSunは共通点も多いし、Sunの一部になるって考えてみないか?」という提案は見事に無視された。「喜んだり光栄だとかいうべきタイミングで、彼はコーヒーにミルクを注ぎ、混ぜ、フィンランドの話を始めた」(フィンランドはMySQLの故郷だ)。
こういう経緯もあってSchwartz CEOは絶対に無理と考えていたようだ。しかし、Green氏の意向もあり、12月はじめにもう一度会食をセッティング、また、そのときは前回と同じ流でフィンランドの話になり、「スルー」されている。
しかし、その会食の翌朝、Mickos CEO側から買収について話し合いたいという電話がかかってきた。―これがMySQL買収の事の起こりとなる。Schwartz氏による多少の脚色はあるだろうが、おもしろいストーリーだ。「In a Vortex(たつ巻のなかで)」と題されたブログエントリーでは今後MySQL以外のデータベースへのコミットを続けることなども解説されているが、このあたりはbuilderの先日の記事とおおむね同じ内容なので省略させていただく。