「IE8」はウェブ標準に準拠するのか? オペラCTOが考える3つのシナリオ

文:Hakon Wium Lie(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、中村智恵子、長谷睦

2008-02-04 08:00

 2年前、ウェブ標準準拠テストの「Acid2」に関してこのコラムでご紹介した。Acid2はウェブブラウザを総合的にテストするページで、正しく表示できると笑顔のマークが描画される。

 Web Standards Projectが開発したこのテストは、ブラウザのバグを取り除くうえで大きな成果をあげている。バグがあると、デザイナーが意図した通りにウェブページが表示されないといった事態が生じる。「Safari」と「Opera」はAcid2に準拠しており、次期版の「Firefox 3」もこのテストに適合したものとなる予定だ。

 最近になって、Microsoftは「Internet Explorer」(IE)の次期版となるバージョン8(IE8)がAcid2に合格したことを明らかにし、その発表を裏付けるスクリーンショットも示した。この知らせはウェブ開発コミュニティーに喜びと興奮をもって迎えられた。

 ここにきてようやく、Microsoftはウェブ標準と真剣に取り組むことに決めたようにも見える。これが本当なら、ウェブデザイナーは今後、自らが作成したページが標準に準拠し、かつIEで正しく表示されるかどうかを確かめるため、長い時間を費やす必要がなくなる。しかし、残念ながら、Microsoftの決断をもてはやすのはまだ早いのではないだろうか。最終的にIE8はAcid2に合格しないと、私は見ているのだ。

 だが、この話題に触れる前に、まずはWeb Standards Projectによって公開される予定の次期版テスト「Acid3」について説明しよう。

 Acid3は「Acid1」およびAcid2の路線を引き継ぐものになるだろう。Acidテストは、正しく描画された場合は独特の画像を表示するもので、1ページだが手強いテストだ。Acid3のリリース時に、このテストに合格するブラウザは皆無だろう。全てのベンダーが一様に試されるはずだ。

 Acid2は静的ウェブページだったが、Acid3は動的ウェブアプリケーションになる予定だ。ブラウザが改良され、Acid3に合格すれば、ブラウザの種類を問わず相互運用が可能なウェブアプリケーションの作成も、ぐっと楽になる。

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