MicrosoftとGoogleの力関係の逆転は、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」の典型例であると議論されることが多い。実際にそうかもしれない。既存のソフトウェア・ライセンスをコアビジネスとするMicrosoftは、Googleのオンライン・サービスへと容易に移行できるものではないし、移行していないから今でも巨大な収益源を維持している。
しかし、今回のMicrosoftによるYahooへの買収提案にあるように、検索ビジネスはプラットフォームビジネスとなり、スケール・エコノミーがものを言う領域に到達している。そして、その領域での巨人は Googleである。つまり、今後、検索領域においては、Googleこそがイノベーションのジレンマに陥るか否かの瀬戸際に立たされることとなる。