本日、ZDNet Japan ソリューションフォーラム 2008 に登壇してまいりました。基調講演を除く 4セッション中、私を含め 3つは 「パフォーマンス マネジメント」 が主題。以前のエントリーにも書きましたように、やはり BI はツールではなくシステムとしてとらえる時代になってきたということでしょう。案件でも 「経営管理 (IT) システム」という文脈の話が多くなってきました。しかし、今日の 3 社の立ち位置がちょっとずつ違うのと同様、案件での要求レベルもまちまちです。十分成熟していてツール論まで落とせるものから、哲学的だとか政治的だとかの領域から抜け出せないものまで。そのような場合、「経営管理システム」のあるべき論についての合意形成ができないと、永遠に答えが出なくなりがちです。
いわゆる 「見える化」要求が特に経営者層で間違いなく増えています。経営者は、配下の事業部門などの組織がちゃんと動いていてこれからどうなるのかの見込みが知りたい、と至極当たり前の感情を持っています。しかし各事業部門からは定期的に集計レポートが上がってくるものの、リアルタイムには報告がされておらず、またそこに書かれている見通しにどんな根拠とクセがあるのかわからないので、期末になってゴメンナサイされちゃわないかとびくびくしています。そこで経営者はシステム部門に、IT でどうにかせい、と指示するのです。指示されたシステム部門は、ダッシュボードツールで経営者向けの情報画面作ってそこに事業部門からデータを入れてもらおうなんて考えてみてから、いや待てよ、部門がそんな面倒なことしてくれるわけないよな、と気づいてしまうわけです。
事業部門の責任者が、経営者に対して真実を打ち明けたくないというのが根本的な問題。組織のフラット化を目指して権限移譲を行った企業が多いのでしょうか、権力はある意味、金と情報統制がセットになったものですから、それが経営者の手に戻らないのもまた当然、既得権益ですもの。つまりこれは、経営者と事業部門責任者が何を約束するのか、約束が果たされていることをどう証明するのかという話なのです。