頼むから「見える化」してくれよ(ZDNet Japanブログより)

米野宏明(マイクロソフト)

2008-02-12 10:20

 本日、ZDNet Japan ソリューションフォーラム 2008 に登壇してまいりました。基調講演を除く 4セッション中、私を含め 3つは 「パフォーマンス マネジメント」 が主題。以前のエントリーにも書きましたように、やはり BI はツールではなくシステムとしてとらえる時代になってきたということでしょう。案件でも 「経営管理 (IT) システム」という文脈の話が多くなってきました。しかし、今日の 3 社の立ち位置がちょっとずつ違うのと同様、案件での要求レベルもまちまちです。十分成熟していてツール論まで落とせるものから、哲学的だとか政治的だとかの領域から抜け出せないものまで。そのような場合、「経営管理システム」のあるべき論についての合意形成ができないと、永遠に答えが出なくなりがちです。

 いわゆる 「見える化」要求が特に経営者層で間違いなく増えています。経営者は、配下の事業部門などの組織がちゃんと動いていてこれからどうなるのかの見込みが知りたい、と至極当たり前の感情を持っています。しかし各事業部門からは定期的に集計レポートが上がってくるものの、リアルタイムには報告がされておらず、またそこに書かれている見通しにどんな根拠とクセがあるのかわからないので、期末になってゴメンナサイされちゃわないかとびくびくしています。そこで経営者はシステム部門に、IT でどうにかせい、と指示するのです。指示されたシステム部門は、ダッシュボードツールで経営者向けの情報画面作ってそこに事業部門からデータを入れてもらおうなんて考えてみてから、いや待てよ、部門がそんな面倒なことしてくれるわけないよな、と気づいてしまうわけです。

 事業部門の責任者が、経営者に対して真実を打ち明けたくないというのが根本的な問題。組織のフラット化を目指して権限移譲を行った企業が多いのでしょうか、権力はある意味、金と情報統制がセットになったものですから、それが経営者の手に戻らないのもまた当然、既得権益ですもの。つまりこれは、経営者と事業部門責任者が何を約束するのか、約束が果たされていることをどう証明するのかという話なのです。

全文はこちら--「大競争時代のBI活用術」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]