米国時間4月1日に、Office Open XML(OOXML)が、国際標準化機構(ISO)のISO標準として承認を得る上で、必要とされる十分な数の票を獲得できるということを示すドキュメントが公表された後、Microsoftも、この結果を1日に認めた。
OOXMLファイル形式を国際標準とすべく、Microsoftが2005年から続けてきた努力は、土壇場で大きな波乱が生じることもなく、ついに成功に至った。ISOは、2日に公式発表を出す予定である。
最終的にInternational Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission(ISO/IEC)での承認が得られるならば、「Draft International Standard(DIS) 29500」の正式名称での仕様で、100カ国以上の代表者が集う国際機構のISOのメンバーによって、(OOXMLの)確立が行われることになる。
技術的な水準では、標準化プロセスの間に提案された変更を、現在はデフォルトで「Microsoft Office 2007」のドキュメントフォーマットとなっているOOXMLに組み込んでいくことが必要となる。
つまり、OOXMLに対応するソフトウェアを開発しているMicrosoftやNovell、その他の企業は、近いうちに製品のアップデートを行うことが求められている。標準仕様としての将来の発展に応じ、これらの企業は、変更に適合していくように期待されている。
Microsoftが、オープンソースソフトウェアを含む他社製品と自社製品間の相互運用性を高めるために払う努力に関しては、不信感が残っていることも事実である。しかしながら、ISO批准は、Microsoftが誓う標準仕様のサポートへの重要なステップになると、Burton GroupのアナリストであるPeter O'Kelly氏は述べている。
O'Kelly氏は、OOXMLが、いまや技術的な水準で多くの詳細なチェックを受けることになり、OOXMLに基づくソフトウェアを開発したとしても、法的な面での問題を懸念する必要があまりなくなったという点を指摘する。
「Microsoftのやり方は変わっていないと、多くの人々が今も確信し続けており、このことを明らかに裏付ける記録が、Microsoft側にあることは確かである。だが、もはや1998年当時とは異なっている。現在は標準仕様の重要性について、Microsoftが大いに理解している」と、O'Kelly氏は語っている。
ISO標準化がOOXMLに及ぼす影響に関して尋ねられると、Microsoftを支持するロビー団体のComputing Technology Industry Associaton(CompTIA)に所属する、標準仕様について詳しいJan van den Beld氏は、「現時点でそれほど大きな影響はない」と述べた。
Beld氏は、確立された標準仕様を好む政府や大企業などに、いまや選択肢が与えられることになったと語り、「(標準仕様が)なければ難しかった環境下で事業を展開する上で、障害が1つ取り除かれたという点は明らかである」とコメントした。