ウイングアーク、日本オプロとSaaS帳票分野で業務提携

田中好伸(編集部)

2008-04-16 17:52

 帳票関連ツールベンダー最大手のウイングアーク テクノロジーズは4月15日、同業3位の日本オプロとSaaS(Software as a Service)での帳票事業で業務提携を結んだことを発表した。今回の業務提携でSaaS市場全般にわたる統一的な帳票出力プラットフォームを提供していくとしている。

 両社はともに帳票関連ツールを提供しているが、ウイングアークは大量印刷・複雑な専用帳票に強みを持っており、一方の日本オプロは少量印刷・単純な汎用帳票に強いとして、今回の業務提携が完全な補完関係の上に成り立ったものであるとしている。

 SaaSの魅力は、初期導入コストを抑え、ソフトウェアの機能を必要な分だけサービスとして利用できることにある。しかし、ウイングアークのSaaS推進室室長の岩本幸男氏は、「企業内の業務システムをSaaSで校正していくときには“落とし穴”がある」と説明する。

 岩本氏はSaaSを利用している現場について「Salesforceで業務を効率化させるといっても、顧客データをCVS形式でダウンロードして、手元のExcelで見積書を作っている」と説明。現段階のSaaSでは、必ずしもオンラインで業務を完結できていないという実態を明らかにしている。

 岩本氏の説明によれば、「ビジネスの本質とは情報の交換であり、ビジネスのノウハウは、情報交換のインターフェースである帳票に集約される」という。日本の企業内における業務の流れは、帳票の流れによって支えられているために、業務を効率化させるには、たとえば伝票や納品書、見積書・発注書、請求書・会計帳簿類など、さまざまな局面で使われている帳票を抜きにSaaS利用を検討することはできないと岩本氏は強調している。

 今回の提携は、ウイングアークが提供する帳票サービス「帳票SaaS」での統一帳票出力プラットフォームを提供するものとしている。

内野氏 日本オプロ代表取締役社長の里見一典氏(左)とウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長の内野弘幸氏

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]