HPのプリンティング事業幹部が語る、日本の競合対策とは?

藤本京子(編集部)

2008-04-22 19:22

 Hewlett-Packard(HP)にとって、イメージング&プリンティング事業は全体の売上高の約30%を占める大きな事業だ。2007年度の同事業の売上は290億ドルで、年率19%の成長を遂げた。特にアジアパシフィック地域での伸びが顕著で、2007年度第4四半期の日本を除く同地域でのシェアは、大企業向けで53.8%、中小企業向けで45.1%にのぼっている。

 この好調な事業をさらに加速すべく、同社は2007年に「Print 2.0」というコンセプトを提唱した。これは、プリンタを単なる印刷機器としてとらえるのではなく、企業の印刷環境を管理し、簡素化し、コスト削減やワークフローの改善につなげるためのサービスとして提供することだ。HPにとって、サービスの幅を広げることは市場拡大にもつながる。

Morgan氏 Christopher Morgan氏

 HPのプリンティング事業が現在このコンセプトに基づいたものであることは間違いないが、各国の事情はそれぞれ異なり、フォーカスする分野も若干違ってくる。アジアパシフィックと日本の報道関係者を集めたイベント「HP Asia Pacific & Japan Imaging & Printing Group Launch」にて、アジアパシフィック&日本 イメージング&プリンティング事業 シニアバイスプレジデントのChristopher Morgan氏、イメージング&プリンティング事業 グローバルエンタープライズビジネス担当シニアバイスプレジデントのBruce Dahlgren氏、アジアパシフィック&日本 イメージング&プリンティング事業 コマーシャルプリンティング担当バイスプレジデントのHerbert Koeck氏の3名が同事業について語った。

 Koeck氏はまず、HPのプリンティング事業の強みについて、同社がPCからサーバやストレージまで、IT関連製品とソリューションを幅広く抱えていることを挙げる。「企業でドキュメントワークフローを実現しようとするとサーバやストレージが必要となる。HPはプリンティング製品とその他の製品の連携ができることが強みだ。競合でここまで幅広いソリューションを抱えているところはない」と話す。

Koeck氏 Herbert Koeck氏

 ただし、日本におけるHPは、製品の幅広さから、どちらかというとPCやサーバ関連メーカーとしての印象が強い。特にプリンティング事業では大手競合がひしめき合っており、ワールドワイドでの存在感には及んでいないのが実情だ。こうした現状をHPではどう受け止めているのだろうか。

 Morgan氏は、「確かに日本には競合が多く、市場環境としては厳しい」と認めている。ただし、「日本でHPはIT企業としてよく知られているため、IT企業としてのリーダーシップとプリンティング事業のリーダーシップを合わせれば、必ず良い方向に進む」とMorgan氏。現在日本ではエンタープライズ分野と商用印刷分野にフォーカスしており、「日本への投資も増やし、今後ビジネスをより強化したい」とした。

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