ヴイエムウェアは5月14日、グリーンITをテーマに記者向け説明会を開催し、同社の仮想化ソリューションがいかにしてCO2削減および省電力化につながるかを解説した。
ヴイエムウェア 代表取締役社長の三木泰雄氏はまず、ここ数年でサーバの消費する電力が急激に上昇していることを指摘した。「1台のサーバが消費する電力が上がっているのみならず、ラックの中に入るサーバの数、そしてラックそのものの数も増加の一途をたどっている」と三木氏は述べ、物理的な数の増加が消費電力の上昇に直接結びついているとした。
全世界で消費されている電力のうち、データセンターで使われている電力は0.8%に過ぎないが、国内ではIT機器全般で利用される電力は全体の約5%という調査もあり、「PCなどのIT機器全体を含めると、0.8%では済まないだろう」と三木氏は話す。中でも、米国のデータセンターで消費されている電力は1.2%と、全世界の比率より高い。
三木氏はまた、「データセンター内では、サーバやストレージそのものの電力はもちろんだが、それとほぼ同じ電力量が空調などの冷却機器で使用されている」と述べている。さらに、サーバ1台あたりのCO2排出量が12.5トンにものぼり、およそ1.5台の車に匹敵するという調査結果にも触れ、サーバ統合の重要性を強調した。
三木氏は、実際に仮想化ソリューションを導入し、電力と冷却コストを大幅に削減した例を紹介した。CPU数を1000から80にまで削減したケースでは、「年間消費電力コストが28万9878ドルから3万6718ドルに、冷却コストが36万2348ドルから4万5897ドルになり、合計で56万9611ドルものコスト削減を実現した」としている。
また、欧州を中心としてCO2の排出権取引も進んでおり、CO2の削減で排出権を売ることも可能なほか、米国カリフォルニア州の電力会社がサーバを1台削減するごとに約150ドルから300ドルのインセンティブを与えるなど、サーバ統合にはコスト削減のみならず利益にもつながるメリットがあることを三木氏は指摘した。
三木氏は、「仮想化を導入した理由を聞くと、10%の顧客は電力管理と答えている。アジア太平洋地域では若干電力削減への意識は薄いが、仮想化でサーバ統合するメリットは十分ある」と述べた。