富士通は6月2日、システム開発プロジェクトにおける品質向上と開発リスクの軽減を目的に、第三者として品質検証および品質教育を行う100%子会社「富士通アドバンストクオリティ」を設立したと発表した。
富士通では、同社設立の経緯として、SIプロジェクトの多様化、大規模化、複雑化、短期間化などに伴うプロジェクト責任者の負荷増大が顕著となり、プロジェクトを支援する組織的な仕組みが必要となっている点を挙げている。新会社では、SIプロジェクトごとに、SIにおける経験やノウハウを持つベテランのシステムエンジニア(SE)が、第三者としての品質検証を行うとともに、SEに対し品質に関わる教育を行い、品質に関する考え方やスキルなどを継承していくという。
第三者品質検証については、システム構造設計からプログラムテスト工程までを当面の対象にする。これらの工程に携わる作業者全員の作業プロセスにおいて、当該プロジェクトの作業手順が守られているかの確認や改善提案を行う。また、品質に関わる教育については、対象プロジェクトの全参加者に対して、品質に関連する付帯ドキュメントの作成手順や品質管理手法などの教育をプロジェクトの進行に合わせて行う。
さらに、品質に関するコンサルティングや、品質責任者をはじめとする人材供給を行い、ユーザー企業の情報システム部門やSIベンダー各社におけるSI品質の向上に貢献していくことを目的とする。
同社の社長には、富士通の現プロフェッショナルサポートビジネスグループ生産革新本部SBGプロフェッショナルサポートセンター長である油井克実氏が就任。資本金は5000万円で、業務開始は2008年7月1日を予定している。