「Vista移行への機は熟した」--MSが企業ユーザーへのアピール強化

文:Mike Ricciuti(CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟 2008年06月05日 07時54分

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 Microsoftは、すでにWindows Vistaが消費者に受け入れられつつあることを示す、数々の情報を公開してきた。いまや同社は、企業ユーザーの顧客向けに、積極的なPR展開を開始しようとしている。

 Microsoftは米国時間6月4日、いまだVistaへの移行ではなく、Windows XPの使用継続を選択している多くの企業に向けて、あるリポート資料(PDFファイル)をリリースした。Microsoftは、Vistaが、よりセキュアで信頼性の高いOSであり、運用管理に至っては企業のコスト削減も可能になると主張している。

 MicrosoftのWindows Client Product ManagementバイスプレジデントであるMike Nash氏は、CNET News.comに対して「われわれは消費者とのギャップを縮めることに努めてきたが、今度は企業とのギャップを埋めることに努めている」と語った。

 企業が現段階でVistaを導入すべき理由は何なのであろうか?Nash氏は、Windows Vista Service Pack 1(SP1)の公開により、Windowsのセキュリティが改善され、ドライバのサポートも拡大されたほか、導入時のアプリケーション互換性の問題も最小限に抑えられた点を挙げている。

 Windows XPと比較して、Vistaの脆弱性問題は少なく(Vistaの脆弱性が45件であるのに対して、XPの脆弱性は56件である)、緊急の脆弱性の数も少ない(Vistaの緊急の脆弱性が17件であるのに対して、XPの緊急の脆弱性は35件である)。また、Vistaを狙った悪意のあるソフトウェアプログラムの数は、XP SP2よりも60%減少すると、Nash氏は明らかにした。

 さらにNash氏は、企業にとっての思わぬ大きな利点として、複数のマシンでVistaの運用管理を進めると、XPの時よりもコスト削減になるという点も指摘した。

 Hewlett-Packard(HP)でMicrosoftのサービス展開を世界的に推進しているTom Norton氏は、HPにとって世界での上位500社の顧客の大半が「Vistaは、クライアント環境のサポート分野でコスト削減を実現する手段であるとの認識を示すようになっている」と述べた。

 アプリケーション互換性に関しては、Internet Explorer 6(IE6)からIE7への移行のほうが、Windowsをアップグレードさせるよりも容易でないと、Norton氏は指摘している。

 しかしながら、統計上のデータや保証があるにもかかわらず、最初の印象というものは、なかなか消え去らないものである。また、Microsoftも認めていることだが、多くの人々にとっては、最初にVistaを導入した時に経験した事柄は、決して優れた点ばかりではなかった。Nash氏も、確かにMicrosoftは、顧客が慣れ親しむまでには時間がかかる数多くの変更点をVistaに加えてきており、最初に提供されたドライバやアプリケーションサポートは、十分なものではなかったと認めている。だが、Nash氏は「Vistaで実際に可能となる点と、すでに定着している認識の間には、非常に大きなギャップが存在する」と述べている。

 間もなくMicrosoftで満17年の勤続年数を迎えるNash氏は、新たなWindowsのリリースに際しては、過去においても顧客が似たような恐れを抱いていたことがあると振りかえっている。「一体どうすべきかが全くわからない、新たなバージョンのWindowsが出されたことは、これまでもよくあった。現行のバージョンが常にある中で、新たなバージョンのリリースが迫ってくる。これ自体は、決して新しい現象ではない」と、Nash氏は語った。

 今回は、次世代版Windowsの「Windows 7」が未知の要因となっている。Microsoftは、Windows 7が2009年にリリースされる可能性もあり、タッチインターフェースが採用されるという点を別にすれば、Windows 7に関しては、ほとんど何の情報も明らかにしていない。とはいえ、ようやくこれからVistaの導入にかかろうかという段階の企業にとって、Windows 7のリリースを待つのは意義あることであろうか?

 Nash氏は「これと似たような話を、これまでのWindowsのリリース時には、常に聞かされてきた。例えば、私がMicrosoftのセキュリティ部門で仕事をしていた時のことだが、多くの顧客が、決してXPを導入したりするつもりはないと述べていた。当初はセキュリティの向上を待ち、その後はXP SP2の登場を待った。そして今度は、Longhorn(以前までVistaを指して用いられていたコードネーム)を待っていたのだ」と語った。

 Microsoftが顧客に伝えたがっているのは、Vistaでは、オペレーティングシステムカーネルおよびデバイスレベルのソフトウェアに、かなりの新しいコードが採用されたという点である。確かに、XPからVistaへの移行は、決して単純なものではなかった。しかしながら、4日にリリースされたリポート資料によれば、VistaとWindows 7は、この分野においては多くの面で互換性があり、結局のところ、顧客は歯を食いしばってでも移行に臨まねばならないことを意味している。

 「顧客にとっては、常に乗り越えねばならない、ある程度の評価期間というものがある。ある場合は5分で済むかもしれないが、12〜18カ月も要することがある。しかしながら、問題となるのは、顧客として、あなたが要する評価期間は、一体どれほどであろうかという点である」と、Nash氏は述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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