MSのゲイツ氏とバルマー氏、実は仲たがいしていたと判明

文:Mike Ricciuti(CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟

2008-06-06 07:00

 Bill Gates氏とSteve Ballmer氏は、ほぼ30年間の親友かつビジネスパートナーである。しかしながら、特にBallmer氏が最高経営責任者(CEO)の座に就任する以前は、Microsoft社内で、どのように両者が権力を共有していくのかに関して、時には大きく対立することもあった。

 The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間6月5日に明らかにした、ある両者の関係を巡る詳細な舞台裏についてのリポートからすると、ある時は口論が非常に激しさを増し、意見の相違を解決するために、他の取締役員が間に割って入らねばならないほどの事態に発展したという。両者の権力闘争は、製品戦略をも徐々にむしばんでいった可能性があり、重要な問題に関する意思決定の遅れを招いたとも考えられる。

 同リポートは、Gates氏が6月27日より、Microsoftでの日々の業務から退くに至った経緯を説明するものともなる。

 リポーターのRob Guth氏は、2000年にBallmer氏へとCEOの職を譲ることを決断したにもかかわらず、Gates氏が社内での権力を手放そうとしなかった様子を伝えている。Guth氏は、以下のように記した。

 ある時、Gates氏は、数人の同僚を思い切って擁護するBallmer氏と怒鳴り合いとなった。あまりにも事態が悪化したため、Gates氏は怒って会議の席を飛び出したと、その時に出席していた関係者は語った。だが、しばらく後には、そのことをBallmer氏が「後悔している」ようだったとも、同関係者は述べている。

 両者が出席した会議では何度も、Gates氏が「依然として役職を超えて幅をきかせていた。(中略)Gates氏は、他のエグゼクティブの面前でBallmer氏の権力を削ごうと、自分や他のエグゼクティブが語る言葉を用いて、皮肉にも介入しようとしてきた」と、同リポートは伝えている。

 それでもGates氏は、徐々に社内でナンバー2の座に甘んじるようになった。Gates氏は「私が変わらなければならなかったのだ」と語ったと、同リポートは明らかにしている。

 いまやGates氏が(Microsoftを)去る時が間近に迫っており、Ballmer氏は自由に権力を行使できるようになる。「もはやGates氏がどうしても必要になるというようなことはない。これこそが今後の方針である。Gates氏を用いるのはよいが、Gates氏を必要とするようなことがあってはならない」と、Ballmer氏はWSJに対して語ったという。

 先週、両者はD6カンファレンスのステージ上に一緒に登場して、Microsoftの誕生の思い出にふけり、Windows Vistaに代わる「Windows 7」など、将来の製品に関するディスカッションを展開した。

 この舞台裏の逸話レポートは、非常に魅力的な読み物でもあるが、おそらく最も衝撃的なのは、カギとなる製品開発を巡って、内部でもめ事が生じていたことを明らかにしている点だろう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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