オペレーティングシステム(OS)のRodney Dangerfield(「敬意を得ていない」というのがキャッチフレーズのコメディアン)である「Windows Vista」は次から次へと打撃を受けている。
最新の打撃はこれだ:ウォール街の企業Sanford BernsteinがVistaに対する認識の問題を理由にMicrosoftの収益見通しを下方修正した。同社はこれがVistaの採用カーブにネガティブな影響を与えると考えたためだ。Seattle Post-Intelligencerの記者Todd Bishop氏によるSanford Bernsteinの新レポートからの抜粋は以下のとおりである:
「われわれの2008年サーベイの免れがたい結論は、Vistaに対するサポートがあらゆる規模の企業や企業顧客層にうちのめされたということだ。その結果Vistaサイクルの堅固性はわが社の前回の調査で示したものと比べて物理的に低下することになりそうだ。」
このアナリストの報告書はまた、「継続するXPへの『ダウングレード』の機会」がVistaの問題に影響を与える要因になっていると述べている。
これらのXPダウングレード(または「アップグレード」:不満足なVistaユーザーはそう呼ぶのを好む)について読者から情報をリクエストされ続けているため、これについて何がどうなっているのかをいまいちど具体的にくりかえす価値があるのではないかと思った。
以前にも伝えたとおり、MicrosoftはPCメーカーに対し、2008年6月30日以降はWindows XPを新マシンにプリロードするのを中止するように要求している。MicrosoftのXPに対するサポートはその日に終わることはない。Microsoftが提供するXPへの無料サポートは2009年4月まで継続する。ユーザーが料金の支払いを要するMicrosoftの「Extended」サポートは2014年まで継続する。
Windowsの旧バージョンにダウングレードできることは、Vistaが原因でMicrosoftとPCメーカーが導入した新しいオプションではない。少なくとも2001年以降、MicrosoftのWindowsライセンスはWindowsの新バージョンを購入したユーザーが旧リリースに戻ることを認めるような構造となっている。多くのビジネスユーザーは、自社のユーザー全員がある製品の同じバージョンを持つようにするため、または新Windowsに移行する前にアプリケーションや周辺機器の互換性をテストするための時間をもっと必要とするために、通常このオプションを利用している。
最近Windows Core Operating System Division (COSD)のチーフオフスタッフを務めるM3 Sweatt氏がブログで述べたとおり、消費者と企業ユーザーの両方ともVistaからXPにダウングレードする権利がある――しかし特定のバージョンに限られている。ダウングレードはPCメーカー(Sweatt氏が指摘するにはエンドユーザーが認証したときに)またはエンドユーザーにより実行できる。Sweatt氏は以下のように説明した:
「Windows Vista BusinessとWindows Vista UltimateのOEMバージョンにはMicrosoft Windows XP Professional、Microsoft Windows XP Professional x64 Edition、そしてMicrosoft Windows XP Tablet PC Editionにダウングレードする権利が含まれている。」
Microsoftとのボリュームライセンシング契約でOSを入手している顧客には、Windowsクライアントに関するダウンロード権利は「Select LicenseとOpen Licenseプログラムを通して入手した全システムソフトウェアライセンスに提供されている。」
ひとつ注意すべきことがある:VistaからXPに移行する前に、ユーザーは旧ドライバが新PCモデルに提供されているかを確かめるべきである。MicrosoftのSweatt氏は以下のようにブログ述べている:
「Vistaがプリインストールされた新PCを購入した場合、それをWindows XPにダウングレードすることを検討しているのなら、あらゆる周辺機器やコンポーネントがWindows XP用のドライバを備えていることを確かめるように。」
結論:Dell、Toshiba、LenovoなどがVistaユーザーにXPダウングレードを通して新たな「抜け道」を提供していると騒がれているが、これは決して目新しい話ではない。XPへのダウングレードやアップグレードは権利であり、特権ではないのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ