B・ゲイツ氏、MS常任会長退任インタビュー--創業期から今後まで(前編)

文:Ina Fried(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル

2008-06-30 07:00

(編集部注:この記事は、Bill Gates氏のMicrosoft常任会長職退任を間近にした米国時間6月24日に公開された英文記事を翻訳したものです)

 ワシントン州レドモンド発--Microsoftでの常勤をやめて今後の生活はどの様になるかと尋ねられれば、Bill Gates氏はその問いに答えなくてはならないだろう。

 その理由は、退任が1週間後に迫っているにもかかわらず、Gates氏はいまだに仕事のペースを落としていなかったからである。それに、幹部全員やGates氏にとって重要なプロジェクトとの最後の会議に取り組むなか、さまざまなことが勢いを増してきていた。

 30年前にMicrosoftを経営するために大学を中退したGates氏は、米国時間6月27日に常任会長職を退任する。しかし今後もMicrosoftの会長職にとどまり、非常勤の従業員となる。

 Microsoftの共同創設者であるGates氏は先ごろ、スケジュールから時間を割いて筆者のインタビューを受け、黎明期のPC市場に対する意見、Microsoftが現在置かれている状況に対する考え、そして、Bill & Melinda Gates Foundationのために常勤で働くという新しい職務でどのようなテクノロジが必要になるかについて語った。

 Gates氏はインタビューで、MicrosoftがLotusとの提携を真剣に検討したが、Lotusの最高経営責任者(CEO)が手を引いたために協議が頓挫したことなど、ほとんど知られていなかったMicrosoftの初期の逸話を披露してくれた。Gates氏はまた、Microsoftが初代「IBM PC」の発表イベントに招待されていたが、のちに撤回されたとも述べた。

 「われわれは招待されていたが、IBMは後にわれわれを招待しないことに決めた」とGates氏は語る。「われわれは昼も夜も働いていた。わたしは人々に、招待を受けたのだから出席しよう、参加すれば大きな取引があるかもしれないと述べた。しかしその後IBMは、いや、あなたがたには来て欲しくないと態度を翻したのだ。これにはちょっとがっかりした」(Gates氏)

--これまで常任会長職からの退任について考えてきたと思いますが、そのときに心の中にあった最も大きなことはどのようなことですか。

 わたしはMicrosoftに33年間勤務し、毎日出社し、われわれが実行するべき新しいことについて考え、そこでのわたし個人の役割は何だろうかと考えてきました。数多くの電子メール、数多くの会議、数多くの製品レビューがありました。したがって、ある意味で、わたしが去ったときにわたし自身やMicrosoftがどのようになるのかを予想するのは難しいのです。

 Microsoftにいる間は、わたしは今でも数多くの電子メールを送り、数多くの会議に出席しておりますので、ステップアップして物事を実行するチャンスがある人々にとっての本当の変化は、ある程度までは、7月1日以降になるでしょう。その頃には、わたしの関与が戦略全体ではなくて特定のプロジェクトへの非常に具体的な関与に限定されているでしょうから。

 誰もが、われわれが現在かかわっている激しい競争のことを取り上げ、それらを大問題のように思っています。しかし、わたしが取り上げるのはタブレットPCや双方向テレビであり、わたしに言わせれば、これまでわたしは過度に楽観的でしたが、これらの製品は、今にも非常に大きなインパクトを与えようとしているのです。したがって、わたしはタブレットPCと双方向テレビのチームに多くの電子メールを送信してきましたし、今後3カ月で送信するであろう電子メールを今のうちに送信して彼らを励ましているのです。なぜなら、「Office」の統合であれ「Windows」であれ、大きな成功を確立するには長い時間がかかるからです。

 わたしが「Windows 7」のグループを訪れ、その取り組みを見るのは良いアイデアだとわれわれは考えました。そして、わたしは興奮しました。Steven Sinofsky氏はわたしを案内し、彼らがやっていることを見せてくれました。

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