Excelで多用する雑多な操作を素早く片付けるための10のティップス(後編) - (page 4)

文:Jeff Davis(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2008-07-08 08:00

#10:計算結果を数値としてコピーする

 このティップスは、上記の9番と同様に[編集]−[形式を選択して貼り付け]を用いるものである。熟練ユーザーは、これを見過ごされがちなティップスとして挙げるのはおかしいと言うかもしれない。しかし、社会人向けのExcel講座で数多くの初心者および上級者を長年教えてきた私の経験から言わせてもらうと、このティップスを耳にしたことのない人は非常に多くいるのだ--これは大変残念なことである。

 では、このティップスを具体的に説明しよう。SUM関数やIF関数、VLOOKUP関数、HLOOKUP関数などがぎっしり詰まった計算式だらけのワークシートがあると考えてほしい。計算式はすべて正しく、データもまったく問題なしだ。そしてこのワークシートを保存したとする。

 ここで、このワークシートの一部を別のワークシートで使う必要が出てきたとしよう。一部の行や列を印刷したいというだけなのであれば、必要のない行や列を非表示にし、必要な部分のみを印刷した後、非表示にしていた行や列を再び表示することで、ワークシートを元の状態に戻せばよい。

 しかし、ワークシートのコピーを同僚や第三者に電子メールで送信するという場合、必要のない行や列を非表示にするだけでよいとは思わないだろう。そして、あなたは必要のない行や列を削除しようと思うかもしれない。しかし、行や列を単に削除するだけでは、削除したセルを参照しているセルでエラーが発生してしまうことになるのだ。

 ではどうすればよいのだろうか?まず最初に、元のファイルのコピーを保存する。メニューから[ファイル]−[名前を付けて保存]を選択し、「本来の」名前の末尾に「_work」を付加する。次に、(前回記事における1番目のティップスで説明した)[全セル選択ボタン]を用いてシート全体を選択してコピーする。そしてそのまま、その選択を解除せずにメニューから[編集]−[形式を選択して貼り付け]を選択する。ここで図Sのように「値」オプションを選択し、[OK]をクリックする。すると、すべての計算式が、計算結果として現在表示されている値で置き換えられる。これで、エラーを発生させることなく、必要のない行や列を削除したり、セルを移動させたりすることができるようになるのだ。

図S 図S

補足

 「形式を選択して貼り付け」ダイアログボックスの「値」オプションを選択してデータの貼り付けを行った場合、日付は1900年1月1日(Macでは1904年1月1日)からの経過日数となり、通貨として書式設定されている数値は通貨記号やコンマを失うことになる。計算結果を数値としてコピーする際にこういった書式設定を維持したければ、「形式を選択して貼り付け」ダイアログボックスで(「値」ではなく)「値と数値の書式」オプションを選択すればよい。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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