Microsoftが「Microsoft Online」サービスで、ホステッドサービス事業の基盤を覆すかもしれないと恐れていたMicrosoftの再販業者にとっては、米国時間7月8日にその悪夢が現実のものとなった。Microsoftは同社がホストする「Exchange」と「SharePoint」をユーザー1人あたり月額3ドルで販売する計画である。
Microsoftは今週ヒューストンで開始された同社主催の毎年のWorldwide Partner Conferenceにおいて、Microsoft Onlineファミリーの料金設定とパートナーに対するコミッションの詳細を明らかにした。
Microsoft関係者は、新しいローエンドのコンパニオンサービス「Deskless Worker Suite」――「Exchange Online Deskless Worker」と「SharePoint Online Deskless Worker」のバンドル製品――を前述のとおりユーザー1人あたり月額3ドルの料金で提供する予定であると述べた。Microsoftがホストする全部が揃った「Business Productivity Online suite」――「Exchange Online」「SharePoint Online」「Office Communications Online」(インスタントメッセージングとプレゼンス技術)そして「Office Live Meeting」――を望む顧客は、ユーザー1人あたり月額15ドルでサブスクライブすることができる。同社はまた個別にMicrosoftがホストするサービスにサブスクライブすることに関心があるユーザーには、そのようなオプションも選択できるようにする予定だ。
(ここにMicrosoftがホストする様々なサービスの料金オプションを1 カ所に集めた便利なチャートがある。)
MicrosoftはDeskless Worker製品のターゲット市場を「通常は1日の勤務時間のうちコンピュータを使って過ごす時間は少ないが、それでも同僚やパートナーとコミュニケートし、コラボレートする必要があるというデスクレスワーカーたちのニーズを満たすように設計された」と説明している。換言すると――もっともこれはMicrosoftの(公の)言葉ではないが――MicrosoftはGoogle Docsに移行するよう説き伏せられる可能性のあるユーザーをDeskless Workerラインナップのターゲットとしているのだ。
この数年間Microsoftはパートナー、特にMicrosoftのソフトウェアのホスティングに関連したビジネスを構築したパートナーに対し、Microsoftは新しいマネージドサービスにより彼らを強引に押し切るつもりはないと納得させようとしてきた。Microsoft幹部はパートナーたちに、陳腐なホスティング事業から手を引いて、そのかわりにホステッドサービスの上にもっと付加価値を提供できるよう注力すべきだと警告し続けていた。
今回のPartnerカンファレンスでは、Microsoft幹部はパートナーたちに対し、これらの新しいMicrosoftホストサービスについて初年度の契約額の12%と継続的なサブスクリプション料金の6%を還付すると述べた。「これは結局、パートナーと顧客の関係では初年度のサブスクリプション価格の18%に換算される」とMicrosoftは8日に発出したプレスリリースを通してパートナーに伝えた。
しかしMicrosoftが今年に入り、同社は以前に予定していると述べたとおり、Microsoftのホステッドサービスを同社の大手顧客だけでなく、あらゆる規模の顧客に提供することを決定したと述べたときには、パートナーのなかには不意を突かれた思いをする者もあった。
当然ながらパートナーのなかには、彼らの確立した顧客関係をMicrosoftに引き渡すことに不信感を抱く向きもみられた。多くのパートナーはExchange、SQL Server、そしてその他のMicrosoftのソフトウェアを中心に有利なビジネスを構築しており、Microsoftの「パートナー」である彼らが、中小規模企業に対するホステッドサービスの提供で、Microsoftと直接対決することになるとは予想していなかったのだ。
Microsoftのパートナーか顧客で、Microsoftの新しいホステッドサービス、料金、コミッションについて議論に参加したい人はいないか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ