富士通は7月22日、金融向けチャネルソリューション「EVOLUO-ChannelIntegrator」の販売を開始したと発表した。
「EVOLUO」は、金融業向けITシステムのソリューション体系として、富士通が2006年に、そのコンセプトを発表したもの。同社のIT基盤コンセプトである「TRIOLE」をベースとし、バックエンド、ミドルウェア、フロントエンドの3層を一貫してカバーするソリューションの提供を目指す。
EVOLUOブランドでは、2006年にSOAを標ぼうするビジネスバスソリューションとして「BUSSOLA」、2007年にバックエンドに当たる基幹ソリューション「CONSONARE」、および次世代ATMシステムの「UNISON ATM+」を提供。2008年には、「TransactionEye」「ProcessEye」「ConversationEye」と呼ばれる一連の音声、業務プロセス、システムの可視化ソリューションをリリースしている。
今回販売が開始された「ChannelIntegrator」は、金融業務のフロントエンドに当たる窓口、ATM、インターネット、携帯電話といった各チャネルを統合的に管理するもの。チャネル間で顧客情報を共有することで一貫した接客を実現し、顧客の獲得、維持を実現するソリューションという。
ChannelIntegratorは、機能ごとのモジュールとして提供される。「チャネルフレームワークサービス」は、SOAによるチャネル統合の基盤を提供する基本モジュールであり、利用者の属性に合わせたUIのレイアウトや文字サイズ変更などを行い、各チャネルの使い勝手の向上を図るもの。そのほか、オプションとして、窓口の端末などで顧客の受付から取引完了までの一連の流れをナビゲートする「事務ナビゲーションサービス」、全チャネルの取引履歴をデータベースに格納、分析し、事務作業の改善対策立案や効果分析を助ける「事務量可視化サービス」、取引データをリアルタイムで監視し、不正取引の防止や事務作業の健全性チェックを行う「取引監視セキュリティサービス」、富士通の営業店システム「Financial Business Components(FBC)」との連携による機能拡張を実現する「FBC連携サービス」が提供される。
ChannelIntegratorの価格は、端末の同時セッション数(同時接続ユーザー数)を元にした従量制。基本システムの「チャネルフレームワークサービス」(2009年1月出荷予定)が500万円/年より。オプションの「事務ナビゲーションサービス」(2009年1月出荷予定)が300万円/年より。「事務量可視化サービス」(2009年10月出荷予定)が200万円/年より。「取引監視セキュリティサービス」(2009年10月出荷予定)が100万円/年より。「FBC連携サービス」(2009年1月出荷予定)が100万円/年より。
富士通では、今後5年間でChannelIntegratorで150億円、関連システムを含めて5000億円の売上を目標とする。