#4:yumやapt-getへのリポジトリ追加を行わない
yumとapt-getはともに、利用可能なパッケージの場所を知るためにリポジトリリストを使用するようになっている。しかし、デフォルトのリポジトリ(しばしば「レポ」と呼ばれる)には、Linuxのありとあらゆるパッケージが含まれているわけではないのだ。このため、あなたがアプリケーションのインストールを行うコマンドを実行した時に、yum(あるいはapt-get)がそのパッケージを見つけられなかった場合、リポジトリをソースリストファイルに追加することになるはずだ。ソースはyumの場合には/etc/yum.confに、apt-getの場合には/etc/apt/sources.listに記述されている。新規リポジトリを追加したのであれば、アップデートを実行して、aptあるいはrpmが新たなソースを認識できるようになったことを確認してほしい。
#5:ブラウザからのインストールを利用しない
Windowsの場合と同様に、ユーザーがインストール可能なアプリケーションをダウンロードしようとするとOSによってそのことが検知され、該当ファイルをパッケージ管理システムにインストールさせるのか、それともディスクに保存するのかを尋ねるダイアログボックスが表示される。いずれの場合にも、rootパスワードの入力が要求されることになる(つまり、この操作を行うにはrootパスワードが必要となるのだ)。私がこの方法で気に入っているのは(yumベース、あるいはdpkgベースに関係なく)、ほとんどの場合に依存関係の検出と追加が正しく行われるという点である。
この方法は当然のことながら、対象OSに適用可能なファイルをダウンロードしようとした場合にのみ動作するようになっている。Debian系のシステムにrpmファイルをダウンロードしようとしても、そのファイルをインストールするという選択肢はないのである。
このステップをさらに推し進め、Firefoxが表示するダイアログボックス上の「Always Do This...」チェックボックスをチェックしておくことで、パッケージ管理システムに関連付けられたファイルをダウンロードするたびに、rootパスワードを尋ねるダイアログボックスが自動的に表示され、パッケージのインストールに進むことができるようになる。これによって、インストールプロセスの効率を少し向上させることができるわけだ。
#6:コマンドラインの存在を忘れてしまう
あなたは、UbuntuやDebianのヘッドレスサーバ(Linuxにおける一般的なサーバ設定である)をインストールしたところであると考えてほしい。そしてまだ、GUIのインタフェースやデスクトップをインストールしていなかったとしよう。こういった場合にメンテナンス作業を行うには、sshを使ってログインし(telnetを使ってログインする管理者などいないのだ)、コマンドラインのみを使うという制約が課されることになる。そういう場合であっても、OSを最新の状態に保ったり、新たなアプリケーションをインストールしたりする作業に制約が課されることはないのだ。というのもyumやapt-getを用いてパッケージ管理を行うことができるからである。
Debianベースのシステムでは、aptitudeというもう1つの選択肢も存在している。コマンドラインから「aptitude」というコマンドを実行すると、Cursesベース(キャラクターとエスケープシーケンスを用いたCUI)の優れたapt用インタフェースが使えるようになる。このシステムは使いやすく、GUIの無いサーバにおいてすべての管理機能にアクセスできる素晴らしい選択肢となる。aptitudeはセキュリティアップデートやアップグレード可能なパッケージ、新しいパッケージ、まだインストールされていないパッケージ、陳腐化したパッケージ、仮想パッケージ、タスクを一覧で表示してくれる。こういった一覧をスクロールしていくと、インストールされているパッケージと、新たにリリースされたパッケージのリリース番号の対比だけでなく、パッケージの説明も表示されていることが判るはずだ。aptitudeを使うことで、Linuxパッケージのアップデートは、コマンドラインからであったとしてもとても簡単になるのだ。