Microsoftは次世代の「.Net Framework 4.0」リリースの開始とともに、新しい分散型アプリケーションサーバであるコード名「Dublin」の準備を進めている。
Dublin――MicrosoftはProfessional Developers Conference(PDC)の会期中に初めてのCommunity Technology Preview(CTP)ビルドをリリースする予定である――は最終的には、Windows Serverの将来の未明のリリースに組み込まれる予定である。それが起こる前に、MicrosoftはDublin技術をWindows Serverの顧客に別にダウンロードにより提供する予定だ。
MicrosoftのConnected Systems Divisionの製品管理シニアディレクターを務めるSteven Martin氏は昨日、Dublinとともに、Microsoftが米国時間10月1日に.Net 4.0リリースの一部として準備を進めている新たな関連機能の一部について筆者と少しだけ会話した。
「ウェブサーバとアプリケーションサーバの間の境界線はますます曖昧になってきている」とMartin氏は述べた。「ウェブアプリケーションはますます処理状態を把握するようになり、開発者はさらに多くの複合アプリケーションを構築しているようだ。」
.Net Frameworkの現行リリースに含まれるWindows Communication Foundation(WCF)とWindows Workflow Foundation(WF)の技術で作業しているMicrosoftの開発者らは、彼らの複数のバックエンドから取り出されたデータをすべて単一のエンドツーエンドのビューを得る必要性を明らかにしている」とMartin氏は述べた。このような傾向の結果、Microsoftは現在Windows Serverに構築されたアプリケーションサーバ能力を拡張する判断を下したという。
ほかの機能のなかでも「WFとWCFを現在使用している開発者は、そのアプリケーションのために別のホストを構築する必要がある。Dublinはそのような必要性を排除し、開発者にさらに拡張性と長期にわたるトランザクションのサポートを与える」とMartin氏は述べた。
(.Net Frameworkの最新バージョンは3.5であり、Common Language Runtime、Windows Presentation Foundation、WCF、WF、InfoCard、ASP.Net、そしてその他数多くの開発者を対象とした技術により構成される。MicrosoftはWCFとWFを.Net 4.0リリースでより密接に統合する予定である。同社はまた、REST、ATOM、Plain Old XMLへの対応強化、そしてパフォーマンス、メッセージング、モデリングの強化を4.0で付加する計画である。)
今年に入り、TechEdカンファレンスのプレゼンテーション中に、コンサルタントのDavid Chappell氏は、Microsoftが、Osloモデリング戦略の主要部分となる別のプロセスサーバを構築していると思うと述べていた。筆者の予想は――Microsoft関係者にこれを言わせることは叶わなかったが――Dublinが、その謎のサーバだということである。
MicrosoftのDynamicsチームは、Dublinを使ったアプリケーションを構築するMicrosoft内で最初のグループとなると、Martin氏は述べている。Dynamics CRMの次期バージョンのひとつは、Dynamics AX ERPとともに、Dublinの上で動作し、.Net 4.0技術を活用するという。(Martin氏は具体的にどのリリースでとか、いつ出荷されるかの詳細は明かさなかった。)いくつかの第三者ソフトウェアベンダーがDublinそして.Net 4.0も利用することを約束している。これにはAmberPoint、Epicor、Telerikが含まれる。
Microsoft関係者は依然として.Net 4.0、Visual Studio 2010、あるいはOsloプラットフォームを構成するその他のいずれの要素についても、出荷目標日を明らかにしていない。MicrosoftはOsloの詳細を、10月終わりのPDCで明らかにする予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ