この不景気、銀行が貸し渋る中で存在感を高めていたのがソーシャル・レンディング・サイト。日本でもmaneoが最近立ち上がったところだ。ところが、米国からは英ZOPAが撤退したのに続き、今度はProsperが新規貸付停止になるなど混乱が続く。
貸付停止の理由
Prosperは、借り手と貸し手を結びつけるP2Pサイトであるが、借り手側はあくまで個人的な実需に応じた資金調達であるのに対し、貸し手側はProsperを活用した高利回りの投資を行っているに等しい。銀行という仲介者を挟まないために、その投資に関するリスクは貸し手が直接負うこととなる。それゆえに、米国証券取引委員会(SEC)は、Prosperへの検査を実施し、Prosperが証券取引法の管轄下で証券取引業者として登録することを求めたようだ。TechCrunchの記事が参考になるだろう。
現在、Prosperのサイトへ行くと、次のような但し書きがあり、新規貸付が行えなくなっているが、既に実施された貸付についてはそのまま存続されるという。また、証券取引委員会への登録には数カ月を要するとのことである。
We are not accepting new lender registrations or new commitments from existing lenders at this time.
最悪のタイミング
サブプライムの問題と比較したとき、P2Pレンディングで際立つのはその透明性である。つまり、証券化商品は投資先が隠蔽されて判りにくくなるのに対し、P2Pレンディングでは、借り手が自らをサイト上でプレゼンテーションするので、投資する側は何に投資するのか、つまり、どんな人が、どんな事に使って、どうやって返済するつもりなのか、が極めて明確である。