職場での誤解を避けるための10+の方法

文:Calvin Sun(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2009-02-18 08:00

 仕事上のコミュニケーションにおいて、誤解というものは往々にして生じ、その結果は軽くても迷惑、下手をすれば悲惨なことにもなりかねない。そこで本記事では、同僚や仕事上の利害関係者とのコミュニケーションの落とし穴を避けるために注意すべき点を(特に海外と取引をする場合に有益な情報も含めて)挙げている。

 ビジネスで成功を収めるには、同僚や顧客、サプライヤー、上司、部下との効率的なコミュニケーションが欠かせない。しかし残念なことに、問題が発生する場合も往々にしてあるのだ。そこで本記事では、混乱のきっかけになりやすい落とし穴を11個挙げている。こういったものに注意しておくことで、可能な限り混乱を避けることができるようになるはずである。

#1:合意は形成されているのか?

 あなたには、恋人だと思っていた人が、あなたのことをさほど真剣に思っていなかったということを知った(あるいはその逆の)経験はないだろうか?私は別に、あなたの苦い思い出を蘇らせたいわけではない。しかし、こういった状況はビジネスにおけるベンダーと顧客との間にも存在し得るのである。あなたの考えていることと、相手の考えていることが違っていた場合、問題が引き起こされることになるというわけだ。

 私はしばらく前に、セミナーの開催を依頼してきたある企業と打ち合わせを行った。われわれは日程を決定し、料金についても合意が成立した。私はセミナーのロゴを受け取り、先方の重役2人と電話会議までしていた。ところがその1週間後に、セミナーを中止するとの連絡を担当者から受け取ったのである。私は、電話会議に費やした時間に対する対価を受け取りたいと考え、料金の一部を支払ってもらいたいと担当者に伝えたところ、発注書を発行したわけではないため、支払いは行えないと言われてしまったのだった。幸いなことに、私はまだ飛行機のチケットを購入していなかったため、セミナーの中止は迷惑ではあったものの、購入したチケットが無駄になるという事態には至らなかった。

 他者とのこういったやり取りには注意が必要である。関係者全員が互いの関係を正しく理解しているということを確認しておく必要があるのだ。先ほど書いたような状況において、私よりももっと強硬な態度をとる人がいるかもしれない(私の場合、あれ以上追求する価値を感じなかったのだ)。例えば、発注書が発行されていない場合であっても、電話会議を行い、セミナーロゴの手配を行ったということを盾にして、契約が成立したと判断するだけの正当な事由があると法的な観点から主張してくることも考えられる。この場合、「禁反言の法理」(法律用語)が相手から持ち出されるということさえ考えられる。つまり、相手はあなたの言動を信じて行動したのであるため、それと矛盾した事実(発注書を発行していないということ)を根拠に反論することができなくなるわけである。要するに、反論を「禁じられる」可能性があるのだ。いずれにせよ、顧客やサプライヤー(あるいはあなた)が時間や金銭を費やしたり、何らかの作業に取り組んだりする際には、関係者に対して必ずそのことを明確にしておくべきなのである。そしてそうすることで、後々の面倒事を避けることができるはずなのだ。

#2:どのタイムゾーンを基準にするのか?

 米国内で州をまたがった地域にいる担当者に対して電話会議の日時を伝える際には、基準にするタイムゾーンを明確にしておくべきである。例を挙げると、相手には「東部標準時間の5時」、あるいは「太平洋標準時間の2時」といった表現を使うのである。州によっては複数のタイムゾーンに分かれていることもあるため、「フロリダ時間の4時」といった表現は誤解を招く可能性があるという点にも注意しておいてほしい。また、電話会議の日時を伝える際には、どちらがどちらに電話をかけるのかを明確にしておくべきである。さもなければ、後の項目にも出てくる「アルフォンスとガストン」のような状況(訳注:米国の新聞に連載された漫画の主人公2人が互いに譲り合うギャグから、互いに譲り合ってうまくいかないさまを表している)に陥ってしまうおそれがあるのだ。

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