「他部署のマネージャーから評価を受けると『自分のがんばりを見ていてもらえたんだ』と嬉しくなりますし、感謝の気持ちを具体的な報酬にして評価されると、実感があり嬉しさも増すようです」と、本田本部長は話しています。
もちろん予算があるので、マネージャーの保有するポイント数には上限がありますが、受け取る側の金額は通常1万〜数万円程度が多いとのこと。中には、eAwardsによる報奨で最大20万円程度を受けた社員もいるそうです。
男鹿谷さんからは、グローバル企業ならではのこんなエピソードもお聞きしました。
ある日本の女性社員が、ワールドワイドでの大きなタスクに携わったのですが、そのプロジェクトが終わってしばらくすると、米国本社のCEOであるMark Hurd氏から彼女にメールが届きました。いつものCEOから社員への一斉メールかと思っていたら、それはHurd氏からのポイント付与のメールでビックリ!したそうです。社長が一社員の仕事ぶりを評価してボーナスを与えてくれるなんて、とても粋な感じがしませんか?
日本法人独自のアワードも
さらに日本HPでは、「シャイン賞」というアワードも設けています。これは日本法人独自のプログラムで、プロジェクトを共有したり業務でサポートを受けた時に、その感謝の気持ちを社員から社員へ贈るプレゼントです。シャイン賞をもらった人は、「ギフトリスト」の中から好きなアイテムを選んで受け取るという仕組みです。
インライン上では、誰が誰にシャイン賞を贈り、贈った理由も見ることができるため、シャイン賞を受け取った人のがんばりが社内中にわかるようになっています。そして、嬉しいことにこの賞は、派遣社員にも適応されます。シャイン賞は、eAwardのようにマネージャー権限と関係なく、一般の社員が発行できることが特徴で、社員同士で「ありがとう」の気持ちを形にしたいという思いから設置したそうです。ちなみに「シャイン賞」は、「社員と輝く=シャイン」をかけた名称とのことです。
半世紀前から根付く創始者の思い
HPでは、米国本社を始めとする全世界のHP共通で、基本精神である「HP Way」という独自の企業文化が根付いています。
このHP Wayは、創業者の1人Bill Hewlett氏の「誰でも良い仕事、創造的な仕事をやりたいと望んでいて、ふさわしい環境がありさえすれば、必ずそうなるものだ」という信念に基づいたHP社員の基本精神であり、行動規範となるものです。すでに1957年に明文化されていて、約半世紀前から21世紀最先端の経営スタイル基盤を持っていたことになるのですから驚きです。同社社員の持つ多様性を大切にしたいという思いやダイバーシティ(人材の多様性)への取り組みが盛んな理由はここにあったわけです。
それでは、あったらいいな!を探して次の取材に行ってきます。あなたの会社のユニークな制度もぜひ教えてくださいね。
「あったらいいな」を実現する企業:ファイル1 | |
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社名 | 日本ヒューレット・パッカード |
事業内容 | コンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ周辺機器、ソフトウェア製品の開発・製造・輸入・販売・リース・レンタル及びサポート |
設立 | 1999年7月 |
従業員数 | 約6000人(2008年6月) |
資本金 | 100億円 Hewlett-Packard 100% |
米国本社 | Hewlett-Packard(1939年設立) |