自転車の乗り方で学ぶ「本質の見抜き方」--田代センセーのメンタルテクニック(8) - (page 2)

田代真人(マイ・カウンセラー)

2009-03-26 08:00

 となれば、やることはまずバランスをとる練習です。子供には、公園の平均台でも歩かせましょう。両手を広げて、うまく渡りきることを身体に覚えさせます。

 次に、両足が地面に着くまで座席を落とした自転車を用意します。ペダルはこがせずに、地面をけってどれだけ前に進むか見守ります。何回か繰り返すだけで、2m、5mと距離が長くなり、あっという間に10m程度まで進めるようになります。

 あとは簡単です。地面を蹴ったあとにペダルに足を掛けてこがせると…… 完成です! 自転車に乗れました!

 人間はもともとある程度のバランス能力を持っているので、大人になるまで自転車に乗る機会がなく、乗れなかった人でも、この方法で乗れるようになります。

自転車の乗り方の本質を実社会に当てはめる

 しかし、読者の皆さんのほとんどは自転車に乗れるでしょうから、いまさら自転車の乗り方についての講義は必要ありませんね。ここで必要なことは「考え方」です。実は「本質」さえ見抜ければ、悩むヒマもなく結論が導かれることが多いのです。コロンブスの卵のようなものですね。

 例えば、とても信頼できて、かつ部下を信頼してすべてを任せてくれる上司Aさんがいるとします。Aさんは「B君の好きなようにやっていいよ。この件は任せた」と言い、Bさんは自分なりに成果が上がるよう、一生懸命考えて実行しました。

 しかし、結果が出る以前に、Bさんは上司のAさんに呼び出されて大目玉をくらいます。Bさんのアタマの中は「???」。だって、好きにしていいと言ったのになぁ……。

 これは、Bさんが本質を見抜いていないから起こったことなんです。

 この場合の本質とは? また、どうすれば問題の本質を見抜くことができるのか? 考えに考えを重ねなければ、結局は本質など見抜けません。しかし、都合の良い考え方はあります。

 次回は、Bさんの件の本質と、一般論として本質を見抜くための考え方に焦点を当ててみましょう。

田代真人
筆者紹介

田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
ご意見、ご感想は mc-info@mycounselor.jp まで。

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