Java開発者向けイベント「2009 JavaOne Conference」(JavaOne 2009)の初日に、Javaアプリストア「Java Store」が開始されたことが正式に発表されたが、その2日目にはJavaアプリストアがPCだけではなく、携帯電話やテレビ向けにも展開される予定であることが明らかになった。
同日の「Your Java Lifestyle: Mobile, TV and Beyond」と題した講演で、Sun Microsystemsのバイスプレジデントを務めるEric Klein氏(クライアントシステムズグループ)が登壇して、前日のSchwaltz氏と同様に、世界中の携帯電話26億台以上にJavaが活用されていると説明。そしてJava仮想マシン(JVM)上で動作するリッチインターネットアプリケーション(RIA)基盤の「JavaFX」の携帯電話向けとなる「JavaFX Mobile」の説明を始めた。
JavaFX Mobileは、組み込み機器向けのJavaプラットフォーム「Java Platform, Micro Edition(Java ME)」上で動作し、携帯電話上のグラフィックスやアニメーションなどのインターフェースを処理するものだ。JavaFX Mobileに対応していれば、どんな端末であれ、アプリケーションが稼働できるようになっている。このことから、Klein氏は「一つのアプリケーションがブラウザでもPCでも携帯電話でも動くことになる」というJavaFX Mobileのメリットを強調している。
JavaFXは、JavaOne 2009の初日に新版の「JavaFX 1.2」が発表されているが、これを受けてJavaFX Mobileも1.2とバージョンアップしている。バージョンアップによりJavaFX Mobileの性能は向上しているとともに、ローカライズされたJavaFXアプリに対応、さらに独立系ソフトウェアベンダーからのフィードバックが取り込まれているとしている。JavaFX Mobile 1.2はJava Storeで取得できるという。
Klein氏は、JavaFX Mobileのメリットを紹介するために「ReallyMe」(AmSoft Systems)というアプリを紹介している。このソフトは「twitterとfacebook、それにSMSを加えたもの」(Klein氏)という。そのPCのReallyMeでつながっている友人を携帯電話で見つけて、即座に携帯電話をかけることができるというものだが、このソフトはJavaFXに対応しているために、一度アプリケーションを完成させれば、そのままPCにも携帯電話にもインストールすることができるのである。
JavaFX Mobileのメリットを説明するためにKlein氏は、決済サービスの「PayPal」を携帯電話で実際に送金するというデモを見せている。PayPalの担当者によれば、その携帯電話のアプリは、JavaFX Mobileを使って1人のエンジニアが1週間で完成させたとしている。
続いてKlein氏は、前日の講演にも登場したJavaFXのオーサリングツールのメリットを話し始めた。前日の講演では「クラウドベースでコラボレーションしながらリッチなアプリケーションを開発できる」としていたが、Klein氏の説明によると、JavaFXのオーサリングツールを活用すれば、PC向けにも携帯電話向けにも一度の作業でどちらにも対応できるというメリットがあるようだ。